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安価な光通信装置で1波長あたり400Gbpsを実現する信号処理技術、160kmの無中継伝送実験に成功
(2016/3/23 12:41)
株式会社富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司は22日、1波長あたり400Gbpsを実現するデジタル信号処理方式を開発したと発表した。
1波長あたり400Gbpsでの光通信では、100Gbpsや200Gbpsの通信速度よりも高い信号処理制度が求められるため、通信品質を低下させる信号ひずみを補正することで品質の良い信号を送信する必要があった。また、受信側でも伝送路のひずみを補正し、信号検出のための位相再生処理を行うが、ひずみが大きい場合は補正が困難だった。
このため、安価な部品や低コスト化が見込めるCMOS技術やシリコンフォトニクス技術を用いた部品では高速化が難しく、パーツの品質のばらつきから100km程度の長距離伝送も不可能だったため、用途別に最適化された高価な部品を使用する必要があったという。
今回、独自の基準信号を送信し、伝送路のひずみ補正を行うことなく位相再生を可能とするデジタル信号処理方式を開発した。これにより、まず位相再生と送信側のひずみを補正し、その後、伝送路のひずみを補正することで、ひずみの大きい信号からでも変調されたデータの再生が可能となる。
これにより、ひずみが大きく、特性にばらつきのある安価な部品を用いても400Gbpsでの通信を実現。160kmの光ファイバーを用いた無中継での伝送実験にも成功しており、都市圏内に配置したデータセンター間の広帯域ネットワーク構築に十分な距離を確保している。
富士通研究所では、シリコンフォトニクス技術と今回の新方式を組み合わせた検証を進め、400Gbpsの光送受信器として2019年の実用化を目指すとしている。