ネットブックOSの仏Jolicloudに、Skype創業者らのVCが出資


JolicloudのWebサイト

 ネットブック用インターネットOSを開発している仏Jolicloudは8日、複数の著名ベンチャーキャピタル(VC)による合計420万ドルのシリーズAファイナンスを完了したと発表した。

 米Googleは7日、Google Chromeをベースにしたネットブック用OSの開発計画を発表。一般消費者向けバージョンを2010年後半にリリースすることを目指している。一方Jolicloudは、2009年後半にもベータ版を公開する予定だ。

 今回のシリーズAファイナンスのリードインベスターはAtomico Venturesだ。同社の共同創業者はNiklas Zennstrom氏で、SkypeやJoost、Kazaa、Joltidの共同創業者としても知られている。同氏は今後、Jolicloudの取締役に就任する。また、Skypeの前COOで、今回の投資に参加したMangrove Capital PartnersのパートナーであるMichael Jackson氏も、アドバイザーとして参加する。また、fotonautsのCEOで、Qualys創業者でもあるGilles Samoun氏も取締役に就任する。

 Jolicloudは、Webポータルサイト仏Netvibesの創業者であるTariq Krim氏が創業したベンチャーだ。クラウドアプリケーションを最大限利用するインターネットOSを目指しており、Webアプリケーションやほとんどのデータは、Jolicloud起動後のトップページに表示され、保管されることになる。ユーザーインターフェイスにはHTML、JavaScript、CSSが最大限利用される。また、アプリケーションをユーザー同士で勧め合うなどのソーシャルな機能を持つほか、一部のLinuxやWindowsアプリケーションを動作せることもできる。

 現在、プライベートアルファテスト中だが、Acer Aspire Oneシリーズ、Asus EeePCシリーズ、Dell Mini 9、HP Mini 1000など、9社のネットブックで動作が確認されているという。

 Jolicloudへの出資についてNiklas Zennstrom氏は、「Jolicloudは、巨大で破壊的なチャンスが市場にあり、ハイリスクがハイリターンに繋がる潜在的可能性があるという古典的な一例だ。正しく行うことができれば成功でき、そうなることを望んでいる」とコメントしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/7/9 13:05