「日本データ復旧協会」設立へ、業界の健全な発展目指す


 アドバンスデザインやワイ・イー・データなどデータ復旧サービスを手がける5社は、業界の健全な発展を図ることを目的とした「日本データ復旧協会」を2月1日に設立する。5社は、業界内に「復旧率100%」とうたう誇大広告があることなどを問題視。協会を設立することで、ユーザーへの正しい情報提供を行うとしている。

 5社によれば、データ復旧事業のマーケティング活動は、各事業者のホームページによる訴求が主であるため、ユーザーにとって、実際の技術レベルが不明確なこともあるという。また、中には「復旧率100%」といった誇大広告も見受けられると指摘。業界発展のためには正しい情報提供が必要不可欠としている。

 このような理念を実現するために、日本データ復旧協会の規約には、「ホームページ、新聞発表など対外的に発信する情報は事実を正しく反映したものとする」という責務のほか、入会基準には「顧客に対し復旧の最終意思を確認する場合、その時点で提供可能な顧客の求める情報を提示している企業体を会員と定める」ことなどを盛り込んだ。

 これらの協会規約について5社は、「企業の社会的責任として当然のこと」と説明。にもかかわらず、あえて規約に定めた理由としては、「この責務を果たしていない企業の入会は拒否する」ことに加え、「日本データ復旧協会の参加企業であれば、データ復旧依頼を出しても安心」ということをユーザーに強調する狙いがある。

 今後の活動計画としては、1)協会ホームページによる、技術情報の提供による啓蒙活動を実施する、2)展示会などに共同で出展し、広く一般の方にも「データ復旧事業」に関する認知向上活動を行う、3)「データ復旧」を行っている他社にも協会参加を呼びかけ、データ復旧業界のスタンダードを目指す、4)社団法人化も視野に入れて、活動基盤の充実を図る、5)IT化促進に伴い、現在進行中のクラウドコンピューティングや仮想化等にも対応するため、各社の技術向上に努める――ことを挙げている。

 日本データ復旧協会の会員企業は、アドバンスデザインやワイ・イー・データのほか、アラジン、くまなんピーシーネット、データサルベージコーポレーションの5社。


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(増田 覚)

2010/1/27 13:49