EUのデータ保護施策、Twitterなど新サービスへの対策を紹介


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会で情報担当委員を務めるViviane Reding氏が、1月28日の「データ保護の日」を記念して欧州議会において演説した。SNSなど勢いを増す技術革新に対して、EUとして市民のプライバシー保護を今まで以上に保障するため、データ保護に本腰を入れるとの見解を示した。

 データ保護の日において開催された催し物では若年者の参加者が多く、データ保護やプライバシー保護に対する関心が広まっていることが認識されている。そんな中、Reding氏は、EU委員として懸念している事項として、まず第一にFacebookやMySpace、TwitterなどのSNSを挙げた。これらのソーシャルネットワーク型ツールは、欧州でも爆発的に若年層を中心に普及しているが、場合によっては個人情報やデータを無防備に露出させることになる。

 この点については、大手ネットワーク提供事業者とは、EUが「EUのためのより安全なソーシャルネットワーク原則」を締結し、個人情報保護に尽力していることが紹介された。特に18歳未満の未成年者のプライバシーについては、デフォルトで検索不可能にするということになっているという。この点に関しては2月9日に予定されている「より安全なインターネットの日2010」において、詳細な報告がなされる予定だ。

 また、RFIDについても個人情報保護において重要視しているという。RFIDは場合によってはインターネット上の個人情報以上に濫用される危険があり、この点についても欧州委員会はデータ保護の方策をとっていることが紹介された。

 さらに、Web閲覧などのユーザーの行動のモニターについても、個人情報やプライバシーの侵害の強い恐れがあると指摘。この点については、Phormケースと呼ばれる英国市民が提訴した事件が紹介され、事前の同意がない個人情報の濫用は許されるべきでないとの見解を示した。

 改革が進む通信会社についても、改革すべき事項の優先事項としてプライバシーの保護を挙げていることが紹介された。欧州委員会がePrivacy指令の補正として掲げた事項において、市民に対する透明性を確保し、より強いコントロールを行えるよう変更するとしており、これが欧州議会を通過したことを紹介した。プライバシー保護違反は、即座に当局および個人に通知されることが義務付けられることとなる予定だ。

 今後も欧州委員会としては、個人情報保護、プライバシー保護に尽力する予定であるとしてこの日の演説が締めくくられた。


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(Gana Hiyoshi)

2010/2/1 14:26