「Google日本語入力」、Chromium OS対応部分をオープンソース化


 グーグルは11日、日本語入力ソフト「Google日本語入力」をオープンソース化すると発表した。当初は、同じくオープンソースで開発される「Chromium OS」への対応を目的としたもので、Windows向けクライアントや辞書登録ツールなどはオープンソース化の対象から外れている。

 Google日本語入力をオープンソース化するプロジェクトは、「Mozc(モズク)」と名付けられ、専用サイトでの情報公開やソースコードの提供などが始められた。現時点ではChromium OSへの対応が主目的となっており、オープンソース版はWindowsやMac OSでは現時点で動作しない。ただしLinux(Ubuntu 9.10および10.04)では、未保証ながら動作を確認しているという。

 また、Google日本語入力の通常版とオープンソース版では、収録辞書の構成が一部異なる。通常版はWeb上の膨大な文章データをもとに、Google検索ランキングなど用語の出現頻度情報などを加味して作成しているが、オープンソース版は「IPAdic」と呼ばれる辞書と基本的に同等になっている。

 この理由について、グーグルは公式ブログ内で「(オープンソースという性格上)辞書および頻度情報を、日本語入力以外の目的に使われる可能性があるため」と説明している。ただし、固有名詞以外の変換精度は、通常版とオープンソース版でほぼ同一という。


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(森田 秀一)

2010/5/11 16:59