デジタル教科書による実験離れなど懸念、理数系8学会が文科省に要望書


 理数系学会教育問題連絡会に加盟する8学会は7日、「『デジタル教科書』推進に際してのチェックリストの提案と要望」を文部科学省に提出したと発表した。デジタル教科書の必要性を踏まえた上で、活用していく上で守るべき項目を挙げている。

 チェックリストは、「デジタル教科書により、手を動かして実験や観察を行う時間を減らさないこと」「CG映像などを見るだけで科学的事項の学習を済ませないこと」「紙と筆記用具を使って作図や計算をしたり、手と頭を働かせて授業内容を記録整理する活動を減らさないこと」「授業のプレゼンテーション化やプレゼンテーション偏重、文章力軽視が起きないよう配慮すること」など9項目。もともとは理数系諸学会がデジタル教科書の活用で配慮するべき内容をまとめたものだというが、デジタル教科書を推進するにあたってはこれらの項目を常に満たすよう広く関係者に要望している。

 チェックリストを作成したのは、情報処理学会、日本数学会、日本化学会、日本化学会化学教育協議会、日本統計学会、日本動物学会、日本物理教育学会、日本地球惑星科学連合。


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(永沢 茂)

2010/12/8 12:00