FacebookにSkypeの機能を統合、Skypeアカウントなしで友達とビデオ通話可能


 米Facebookは6日、Facebookの友達に直接ビデオ通話を行える機能を追加したと発表した。この機能を実現するためFacebookはSkypeと提携し、Skypeの機能をFacebookと深いレベルで統合したとしている。グループチャット機能も併せて発表された。

 Facebookでのビデオ通話は、友達のプロフィールにあるビデオ通話アイコンをクリックすると開始される。ただし最初の通話時だけはプラグインをインストールする必要がある。このビデオ通話機能は、Internet Explorer、Firefox、Google Chrome、Safariに対応。ただし、Linuxプラットフォームには対応していないため注意が必要だ。

 ビデオ通話できる相手は、Facebookの友達として承認した相手に限られている。また、すべてのビデオ通話を拒否する設定も可能だ。ビデオ通話は、チャットできる状態にある場合なら、いつでも行える。したがって、ビデオ通話で呼びかけられたくない場合には、チャット機能をオフラインにしておく必要がある。

 また、望ましくない相手からのビデオ通話呼びかけを迷惑に感じる場合、アンフレンドしたり、ブロックする必要があるとしている。

 相手がオンラインである場合、そのままビデオ通話できるが、相手がオフラインの場合でも、ビデオメッセージを残すことができる。なお、ウェブカメラがない場合には音声通話しかできない。

 このビデオ通話機能は、Skypeとの提携関係によって実現したが、Skypeアカウントがなくても利用できる。したがってSkypeを一度も使ったことのない人でも、Facebookビデオ通話を行うことができる。

 この新機能は、70以上の言語でFacebook全体に提供される。数週間以内に全会員が利用できるようになるが、ビデオ通話の説明ページからセットアップすることですぐに利用を開始することもできる。

 この発表と同時に、新しいグループチャット機能も追加されたことが発表された。現時点では、複数のユーザーとグループチャットしたい場合、グループを作成するなど手間がかかることから、多くのユーザーが新機能を要望していた。新しいグループチャット機能では、次々に友達をチャットに追加していくことができ、簡単にグループチャットができる。

 また、チャットのためのユーザーインターフェイスが改良され、よくメッセージを送る友達のリストがサイドバーとして、自動的に表示されるようになっている。

 これらFacebookの新機能は、Googleが発表したソーシャル機能「Google+」のビデオチャットルームやグループチャットと直接競合しそうだ。現時点でGoogle+はグループビデオチャットが可能である点でFacebookを上回っている。しかし利用者数ではFacebookが圧倒的に優位で、Google+はまだ招待制のサービスで始まったばかりだ。また、Facebookのグループチャット機能もGoogle+のグループチャットと直接競合する。

 現在インスタントメッセージ分野で利用者の多いMicrosoftのWindows Live Messengerの将来にも暗雲がたれ込んでいるようにも見える。Skype、Facebookのさまざまなチャット機能、Google+がある中で、Windows Live Messengerの必要性も薄れていくだろう。ここ最近の業界動向は、Microsoftが85億ドルもの大金でSkypeを買収したことを正当化できているように思える。今後FacebookとSkypeの提携が、収益化という点でどのようなサービス提供につながり、それがどのようにMicrosoftやFacebookの収益面に影響を与えるかにも注目が集まりそうだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/7/7 12:00