「Antinny」に付けられたファイル名、6割はアダルト関連


自動的にFacebookのウォールに書き込まれた不正なURLを含むメッセージ
ファイル共有ソフトで感染する「WORM_ANTINNY.AI」につけられたファイル名の割合

 トレンドマイクロ株式会社は4日、7月の「インターネット脅威マンスリーレポート」を公表した。それによれば、Facebookを悪用した攻撃として、ユーザーが特定のURLをクリックすると、自動的に自身のウォールにポルノ動画のURLがおすすめとして書き込まれてしまう事例が見られたとという。

 勝手に自身のアカウントで意図しない書き込みを行う手法は、過去にmixiやtwitterでも確認されている。トレンドマイクロでは、友人のアカウントで書き込まれたURLでも不正なものが含まれている可能性もあるため、クリックする際には検索サイトで確認したり、不正なサイトへの接続を遮断するセキュリティ製品の利用が有効としている。

 7月にはこのほか、日本国内の不正プログラム検出数ランキングで6月に引き続き、ファイル共有ソフトのネットワーク上に流通する「WORM_ANINNY(アンティニー)」が3種ランクインし、ファイル共有ソフトの使用に伴う不正プログラム感染が目立ったという。

 なお、7月には「ウイルス作成罪」による初めての摘発として、ファイル共有ソフト「Share」のネットワーク上に流通させる目的で、自分のコンピューター上に不正プログラムを保管していたとされる男性が逮捕された。

 男性は、不正プログラムに児童ポルノ関連のファイルと思わせるファイル名を付けていたと報道されているが、トレンドマイクロはでは「ユーザーの興味を引くようなファイル名を付けるのはソーシャルエンジニアリング的手法の代表的な手口」だと指摘。

 実際に、7月に国内の検出状況で3位だった「WORM_ANTINNY.AI」(1211台で検出)に付けられたファイル名を調査したところ、アダルト関連が63%、音楽が13%、一般漫画が19%となっており、9割以上にユーザーの興味を引くような工夫がされていたという。


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(増田 覚)

2011/8/4 13:47