NEC、10インチIPS液晶に1.5GHzデュアルコアのAndroidタブレット
「LifeTouch L」 |
NECは、Android 4.0を搭載するタブレット「LifeTouch L」を開発した。個人向けと法人向けに提供され、個人向けモデルは7月5日、法人向けは7月下旬に発売される。価格は16GBモデルが4万円代半ば、32GBモデルが5万円前後の予定。法人向けは16GBモデルのみ用意される。
今回発売される「LifeTouch L」は、10.1インチのディスプレイにデュアルコアCPUや無線LAN機能を搭載した薄型のAndroidタブレット。ボディは薄さ7.99mmと、8mmを切る薄型で、重さも540gで同型のタブレット端末として軽量な部類に入る。背面はアルミ素材にサンドブラストを施したマットな仕上げ。
家族で利用する際に便利なアプリや、プリインストールアプリを目的別に探す機能など、アプリを拡充しているのも特徴で、トレンドマイクロと共同開発した子供向けモード「こどもーど」など家族での利用を想定したアプリも用意。インターネット上から新譜の発売情報や占いといったスケジュールをダウンロードできるカレンダーアプリは、スマートフォンと連動して利用することもできる。32GBモデルはプリインストールされるアプリの数が多くなっている。
端末下部の独自端子をUSBに変換するケーブルがUSBホストケーブルとしてパッケージに同梱されており、デジタルカメラにこのUSB端子を接続すれば、SDカードなどカメラ内のメディアに記録された画像を簡単にコピーできる。加えて、ネットワーク上のプリンタで印刷できる機能も用意される。
ディスプレイは10.1インチ、1280×800ドット、LEDバックライト採用のIPS液晶。CPUはTI製「OMAP4460 HS(High Security)」で、1.5GHz駆動のデュアルコア。フルHD動画ファイル(MPEG-2)のデコードが可能で、地デジの録画ファイルをスムーズに再生できるとする。DLNAはDTCP-IP対応。microHDMI出力、ステレオスピーカー、モノラルマイク、3.5mmのイヤホンマイクジャックを装備する。
通信方式はWi-FiとしてIEEE802.11a/b/g/nをサポートし、5GHz帯も利用できる。GPS、Bluetooth 2.1+EDR(HID対応)に対応。RAMは1GB、ROMは16GBまたは32GB。メインカメラは500万画素、インカメラは120万画素。microSDHCカードに対応する。
連続駆動時間はWeb閲覧時で約13時間、連続動画再生時で約10時間(いずれも暫定値)。大きさは約257×181×7.99mmで、重さは約540g。ボディカラーは、コンシューマー向けがホワイト、法人向けがブラック。
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法人向けモデルはボディカラーがブラック。スペックは同等だがプリインストールコンテンツは異なる | |
●タブレット端末、「風は変わっている。2012年は飛躍の年」
NEC パーソナルソリューション事業本部長の西大和男氏 |
18日に都内で記者向けに開催された発表会では、NEC パーソナルソリューション事業本部長の西大和男氏が、同社における「スマートデバイス」の戦略を語った。
西大氏は、サービス、携帯、パソコンのそれぞれのアプローチからなる領域が、タブレット端末の領域と位置づける。NECグループとしてはすでに、既存のLifeTouchシリーズをはじめ、パソコンから派生したLaVie Touchや法人向けのVersaProシリーズ、キャリアを通じて通信サービスを含めコンシューマーに提供しているNECカシオのMEDIAS TABなど、さまざまなシリーズを抱えているが、今回発表する「LifeTouch L」はNECとして「初めてのコンシューマー向けタブレット」と定義。豊富なプリインストールアプリや独自アプリ・サービスの提供、DLNAなどによる機器連携といった特徴が盛り込まれていることを紹介した。
同氏は「ここ1年では、思うようにいったとは言えないが」と振り返るものの、タブレット端末などについて、市場からの問い合わせや要望は確実に増えているとして、手応えを感じている様子。「これからは導入のフェーズ。2012年は飛躍の年。明らかに風は変わっている」と意気込む。法人向けでは、発表済みのタブレット端末の導入事例が紹介され、現在においても、高齢者の生活支援や教育、銀行の業務支援といった、活用の幅が広がっている様子をアピールした。
同氏からは事業の推進体制についても触れられ、パソコンなどと保守サービスの体制を一本化することや、パソコンの事業と同様に、パートナーと組んで幅広い提案を行っていく姿勢を明らかにしている。さらに、海外展開についても、教育やソリューション提供を足がかりにアジア・中国で展開していく方針を示している。
NEC パーソナルソリューション事業本部 クラウドデバイス事業部 統括マネージャーの渡邉敏博氏 |
「LifeTouch L」の詳細については、NEC パーソナルソリューション事業本部 クラウドデバイス事業部 統括マネージャーの渡邉敏博氏から説明が行われた。渡邉氏は、薄さ、高性能、大容量バッテリーの3点を特徴に挙げたほか、「迷わず使える工夫」として、プリインストールアプリを目的別に探せる機能を搭載したことや、リビングで家族が使うことを前提に、子供向けの「こどもーど」をトレンドマイクロと共同開発して搭載したことを紹介した。
機器連携では、デジカメの撮影データを簡単に取り込んで、すぐに家族や友人などと見て楽しめる使い方や、10種類のファイルに対応したネットワークプリント、DTCP-IP対応のDLNAによる映像の視聴をアピール。特にテレビとの連携では、ロンドンオリンピックの生放送は時差があるため、録画した映像をデイタイムにタイムシフトで視聴する際に便利とした。レコーダー側で圧縮した動画だけでなく、ダイレクトレコーディングなどと呼ばれるデジタル放送そのままの録画データ(TSファイル)もスムーズに再生でき、無線LANは5GHz帯もサポートしたことで快適に視聴できるとした。
一方、法人向けモデルは、会議や接客のソリューションで端末として活用できることや、紛失対策など十分なセキュリティ機能を搭載することも紹介された。
関連情報
(太田 亮三)
2012/6/18 17:53
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