Apple、ポッドキャスト専用iOSアプリ「Podcast」をひっそりと公開
自動ダウンロード、ストリーミングも可能に
米Appleは26日、同社による初のポッドキャスト専用アプリ「Podcast」を公開した。
iOS 5.1以上のiPhone/iPad/iPod touchに対応する。しかし今のところ、iTunes App Storeに登録されているだけで、Appleから正式な発表文は出ていない。
Appleが提供を開始したポッドキャスト専用アプリ「Podcast」(iTunes App Storeに掲載されているスクリーンショット) |
これまでポッドキャストはそれほど重きが置かれていなかったにもかかわらず、熱心なラジオ局や制作者による良質の番組が数多く存在している。「40以上の言語、何十万」のオーディオ/ビデオのポッドキャストが無料で視聴できる。
Podcastはこれらすべてのダウンロードとストリーミング再生に対応し、ポッドキャストごとに自動ダウンロードの設定、並び順、保存方法などを決められる。再生機能では、これまでは「30秒戻る」ボタンしかなかったのに対し、新たに「10秒戻る」「30秒進む」ボタンが設置され、聞きやすくなっている。再生スピードはウサギとカメの印で表記されており、従来と同じように選択可能だ。スリープタイマーもあり、指定時間後やエピソード終了後に再生停止することも可能だ。
また、エピソードの同期機能もある。これによって、デバイス間でエピソード再生を同期して、別のデバイスでも止めたところから続きを再生できる。この機能はiTunes 10.6.3以上を必要とする。
さらにポッドキャストをアプリの中から選べるようになった。特に新しい機能としてトップラジオ局という機能があり、ビジネス、コメディ、ニュースなどのジャンルごとに、新しいポッドキャストを見つけやすくなっている。「購読」ボタンを押すとその場で購読でき、自動ダウンロードを設定できる。
画面デザインにもAppleらしい気配りが見られる。各ポッドキャストごとのアイコンを表示したグリッドデザインがデフォルトだが、表形式で表示することも可能だ。エピソード再生画面はリールによるテープ再生機のようなデザインになっており、再生スピードに合わせてリールの回る速さも変わるという細部にもこだわりが見られる。
ポッドキャスト専用アプリがAppleから提供されるのではないかという噂は、WWDC直後から表面化していた。それは、iOS 6の開発者向けベータ版公開時に、iTunesアプリからこれまで存在していたPodcastセクションが消えていたからだ。このiTunesアプリからは、ポッドキャストだけでなく、「iTunes U」と「Audiobooks」も消えていた。そのため、これらの専用アプリが新たに提供されるかも注目される。
また、PodcastアプリをiOS 6開発者向けベータ版で動作させると、ポッドキャスト購読表示画面に返金ボタンが表示されることが話題になっている。これは有料ポッドキャストを開始することを意味することを示唆しているが、詳細はいまだ不明だ。iTunesストアのインターフェイスを流用しただけの可能性もまだ残されている。
しかし、品質の高いポッドキャスト番組が多く、アプリ開発者と同様なエコシステムを作ることでより品質の高い番組が生まれることへの期待などから、有料ポッドキャストの可能性が議論されており、今後のAppleの動向に注目が集まっている。
関連情報
(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/6/27 11:47
-ページの先頭へ-