興味をもれなく行動に結び付ける、頓智ドットが新サービス「tab」


 頓智ドット株式会社は27日、インターネット上にある興味・感心を行動に結び付けられるサービス「tab」のiPadアプリとウェブサイトを公開した。利用は無料。iPadアプリはApp Storeから無料でダウンロードできる。

興味をストック、その場所の近くで思い出す

 tabは興味を発見する「Browse」、お気に入りに入れる「Tab」、実際に行動する「Act」という3つのステップを通じて、ネット上で興味を持ったものをストックし、その場所の近くに行った際に思い出せるようにするサービス。

 「Browse」では新着順や人気順、場所、フォロー、キーワード検索などで気になるアイテムを見つけられる。気になるアイテムをタップすると、テーマを持った切り口でまとめられた一連のtab(アイテムの集まり)が表示される。

トップ画面アイテム画面

 「Tab」ではお気に入りのアイテムを保存できる。一連のtabには自分の切り口で名前を付けられる。他のユーザーが作成したtabをフォローしたり、アイテム情報にコメントを残すなどのSNS機能も提供している。

tab画面ポスタービュー(iPadのみ)

 「Act」ではGPS機能付きの端末でtabにアクセスすると、現在地近くでお気に入りに登録したアイテムが表示される。iPadアプリでは航空写真地図を斜め上から見る「バードビュー」のインターフェイスを採用しており、現在地周辺のアイテムをチェックできる。

 なお、Actにはお気に入りに登録したアイテムの場所に来た場合でも、プッシュ通知する機能はない。そのため、ユーザーは外出先でtabを立ち上げて、お気に入り登録したアイテムがあるかどうか確認する必要がある。

バードビュー(iPadのみ)ARビュー(iPhoneのみ)

 tabに掲載されているコンテンツはユーザーのほか、メディアや店舗、ブランドなどのパートナーが投稿したもの。掲載エリアとしてカテゴリーが設けられているのは渋谷、六本木、銀座の3カ所のみだが、投稿時には任意のエリアを設定できる。1日あたり一定以上のコンテンツが投稿されるエリアを順次カテゴリーとして追加していく。

tabに掲載されるコンテンツの投稿者コンテンツパートナーの一覧

 今後、ウェブサイトではブックマークレットやブログ投稿のような画面で詳細ページを作成できる機能を提供する。また、iPadアプリや7月に公開するiPhoneアプリからは、撮影した写真をアップロードできるようにする予定。

「興味を持つが行動に移せない」を解決する

 日々、テレビや雑誌、インターネットなどで多くの情報に触れていても、適切なタイミングで思い出せず、実際にその興味を行動に移せていない機会ロスがあると、頓智ドット代表取締役社長兼CEOの谷口昌仁氏は指摘する。

 「ユーザーはネットで情報収集して興味を持ったものがあっても、行動する際にはすべてユーザーの記憶に頼っていた。そこをtabが補完してリマインドすることで、興味をもれなく行動に移せる。」

tabの解決策相互補完的なプラットフォーム

 また、興味を持ったコンテンツを集めること自体が、他のユーザーにとっても有益になる。例えば、さまざまな切り口でまとめられた複数のtabから関心のあるコンテンツを収集し、自分の切り口でtabを作成すれば、新たなコンテンツを発信することになる。

 「(興味や関心を共有するサービスでは)通常、ユーザーの大半は一部の発信者の情報を受信する立場。しかし、我々のサービスはお気に入りをtabに入れることで、ユーザーが自然に受信者から発信者となる。」

 収益面では広告や有料プレミアムツール、有料コンテンツ配信が中心となる。広告については、ユーザーがお気に入り登録したコンテンツの内容や場所をもとに、ユーザーに適した広告を配信する。

自分向けの特集が読める雑誌のようなサービス

 tabは4月26日からクローズドベータサービスが提供されており、6月26日現在では1417人が登録している。週間のアクティブユーザー率は51.3%、ユーザーあたりのコンテンツ生成量は11.7アイテムに上るという。

 これまでに投稿されたコンテンツで最もフォロー数が多いのは「本好きなら憧れるイチオシスポット」。独自のセンスの品揃えをしている書店やブックカフェなど、読書家への楽しみ方を提案するものだ。

 そのほかにも、「差し入れで欲しい絶品スイーツ」「宮益坂周辺のランチスポット」「アイディアデザインプロダクト」など切り口はさまざま。同社取締役会長兼CMOの井口尊仁氏は「自分向けの特集が読める雑誌のようなサービス」とtabを表現する。

 7月にはiPhoneアプリを公開する。Androidアプリの公開時期は未定だが、対応する予定。目標ダウンロード数は、「1年間で国内300万ダウンロードが最低ライン」(谷口氏)として掲げている。また、早期に英語版に対応し、海外展開も図るという。

代表取締役社長兼CEOの谷口昌仁氏取締役会長兼CMOの井口尊仁氏

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(増田 覚)

2012/6/27 17:48