スマホの利用者情報に関する連絡協議会が発足、業界ガイドラインの策定を支援


議長に選出された慶應義塾大学の新保史生氏

 スマートフォンのプライバシーに関する業界ガイドラインの策定促進などを目的として、業界団体22団体などが参加する「スマートフォンの利用者情報等に関する連絡協議会」が4日、発足した。

 連絡協議会は、総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」が8月にまとめた提言「スマートフォンプライバシーイニシアティブ」を受け、設立された。業界団体が情報や意見の交換を行い、業界ガイドラインの策定を促進することで、利用者情報などの適正な取り扱いを通じて安全なスマートフォンの利用環境を整備することを目指す。

 連絡協議会には、インターネット広告推進協議会(JIAA)やモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)、日本インターネットプロバイダー協会、テレコムサービス協会、情報処理推進機構(IPA)、JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)、産業技術総合研究所など、36団体が構成員として参加。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなどの事業者や、経済産業省、消費者庁、総務省がオブザーバーとして参加する。

 4日に行われた第1回会合では、議長に慶應義塾大学総合政策学部准教授の新保史生氏、副議長に弁護士の森亮二氏をそれぞれ選出し、IPA、JIAA、MCF、日本スマートフォンセキュリティ協会がこの問題に関する活動を報告した。

 議長の新保氏は第1回会合終了後の会見で、「スマートフォン利用者の増加に伴って、利用者の履歴などの詳細な情報がアプリなどを通じて取り扱われるようになっている。総務省のワーキンググループで8月にまとめられた提言では、事業者に対する個人情報の適切な取り扱い方を定めている。この問題については新たな法規制も必要だといった議論もあるが、まずは現行法の枠組みの中で、業界団体による自主的な取り組みが重要だということで、連絡協議会を設置した」と設立趣旨を説明。連絡協議会では今後、各業界団体向けにモデルとなるプライバシーポリシーの策定や、業界団体間での情報交換などを進め、まずは12月までに各業界団体の進展状況をまとめたいとした。


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(三柳 英樹)

2012/10/4 18:40