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音楽ファイル共有が減少との米調査結果、主な要因は正規配信サイトの利用増

 米NPD Groupが2月26日、2012年の年次音楽調査レポートを発表した。インターネットユーザーにおける違法音楽ファイル共有行為が減少したという。

 2012年にP2Pサービスを使って音楽をダウンロードしたとする人の数は、前年に比べて17%減少したという。NPD Groupによれば、P2Pファイル共有のピークは2005年で、13歳以上のインターネットユーザーの5人に1人(3300万人)が、P2Pサービスを利用して音楽をダウンロードしていた。しかし、2012年にはその割合が11%(2100万人)に減少した。

 P2Pサービスを利用して違法にダウンロードされた音楽ファイルの量も、前年に比べて26%減少したという。また、2011年にP2Pサービスで違法に音楽ファイルをダウンロードしていた人のうち40%が、2012年にはP2Pからのダウンロードをやめたか、ダウンロード数が減ったと回答したという。

 なお、共有活動が減少しているのはP2Pサービスだけに限ったことではなく、CDからのリッピングやオンラインストレージからのダウンロードなども減少しているとしている。

 NPD Groupでは、音楽ファイル共有が減少した理由として、無料の合法ストリーミング音楽配信サービスの利用増加があると指摘している。実際、ファイル共有はやめた、あるいは減ったとした人の半数近くが、その主な理由としてストリーミングサービスの利用を挙げたという。このほか、利用していたP2Pサービスでスパイウェアやウイルスの問題が発生したことも挙げられるとしている。

 NPD GroupのシニアバイスプレジデントであるRuss Crupnick氏は、「10年以上にわたってデジタル海賊行為と闘ってきた音楽業界にとって、2012年は進展の年だった。何よりも、ライセンスを受けた合法ストリーミングサービスのさらなる利用が、以前はP2Pネットワークで音楽を入手していたような音楽ファンにとって代替手段となることが証明された」とコメントしている。

(永沢 茂)