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総務省のスマホ利用環境WGが中間まとめ、利用者情報の適正な取り扱いなど提言

 総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」は19日、スマートフォンの利用者情報に関する課題などについて検討を進めているワーキンググループ(WG)の中間とりまとめを公表した。

 研究会では、2012年12月に「スマートフォン時代における安心・安全な利用環境の在り方に関するWG」を設置。スマートフォンにおける利用者情報に関する課題への対応や、サービスの適正な提供のあり方、アプリの利用における新たな課題への対応について、これまで行なってきた検討を踏まえた中間とりまとめを行った。

 利用者情報の適正な取り扱いについては、研究会が2012年8月にまとめた指針である「スマートフォンプライバシーイニシアティブ」を踏まえ、OS提供事業者や通信キャリア、アプリケーション提供事業者、広告配信業者などの関係者が協力しながら、各領域における課題を共有するとともに、連携した自主的取り組みを進め、その成果を利用者に分かりやすく説明することが重要だとしている。

 スマートフォンプライバシーイニシアティブでは、事業者に対して利用者への分かりやすい説明や、透明性の確保、アプリやサービスの開発段階からプライバシー保護を組み込む「プライバシー・バイ・デザイン」の導入などにより、利用者の信頼を確保することを求めている。

 中間とりまとめでは、アプリケーション提供者のプライバシーポリシーへの対応状況や掲載状況、記載内容などの現状を示し、対応の徹底とより分かりやすい情報提供の方法、情報収集モジュールに対する横断的な対応、不適切なアプリケーションが判明した場合の取り扱い方、連絡通報窓口間の連携、第三者検証機関のあり方などを今後の課題として挙げている。

 サービスの適正な提供のあり方については、携帯電話サービスの通信速度やサービス提供エリア、料金プラン、契約に関する説明など、最近の苦情・相談の現状を踏まえた課題を提示。WGでの議論はこれからのため、中間とりまとめでは現状分析にとどめているが、今後の最終とりまとめに向けて具体的な相談事例を分析の上、集中的に議論を行っていくとしている。

 アプリケーション利用における新たな課題への対応については、スマートフォンの急速な普及につれて今後顕在化してくることが懸念される課題としてソーシャルメディアの利用を提示。青少年の安全な利用環境の確保に向けた取り組みや、安全に利用する方法の周知啓発活動の強化などの対応について、青少年をはじめとする利用者、関係者、事業者、行政などの主体別に期待される役割を整理していくとしている。

 WGでは引き続き検討を進め、7月をめどに最終とりまとめを行う予定。

(三柳 英樹)