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スキャン・入力不要の“名刺管理”アプリ「CARD」、メールで連絡帳を自動作成

ウォンテッド代表取締役CEOの仲暁子氏

 株式会社ウォンテッドは12日、メールの署名と送信情報を解析し、連絡帳を自動作成するアプリ「CARD(カード)」を公開した。名刺管理サービスのように、スキャンしたり入力せずに、名前や会社名、メールアドレスなどを自動入力できるのが特徴という。まずはiOSアプリを公開し、Androidアプリは今後提供する予定。

 利用するには、仕事で使うメールアドレスを入力して「認証」を行う。その後、自身のプロフィールを入力して「次へ」をクリックするとメールが解析され、メールに返信した相手の連絡先だけがアプリ内に追加される。連絡先は名前、会社名、メールアドレスで検索できる。「ライブ機能」を有効にすれば、部署や会社の変更情報も更新される。

 CARDが解析するのはメールだが、機能は名刺管理アプリと重複する。この点についてウォンテッド代表取締役CEOの仲暁子氏は、「名刺管理アプリのようにスキャンや撮影、入力が不要で、短時間で連絡帳を作成できる。メールでやり取りする『必要な人』だけを登録するため、純度の高い連絡帳が作れる次世代の名刺管理アプリ」とCARDの優位性を語る。

 なお、メールの解析は連絡帳を作成・更新する目的でのみ利用し、メールの意味解析は行なわないという。メールの本文については、連絡帳の作成・更新に必要な期間を経過後に破棄する。メールのアカウント情報は暗号化し、ウォンテッドが閲覧することはないとしている。

 仲氏は2008年に京都大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。1年半で退職してFacebook Japanに参加した。それからまもなく起業し、Facebookの実名制を活用した人材採用サービス「Wantedly」を立ち上げ、2012年2月に正式サービスを開始した。現在は約1400社の企業と5万人のユーザーが利用し、これまでに400件以上の採用事例がある。

 採用と関連性のないCARDを開始した理由について仲氏は、「Wantedlyでリーチできるのは転職人口のごく一部。名刺管理サービスであればすべてのビジネスパーソンとの接点が持てるため、ウォンテッドのゴールである『シゴトでココロオドル人をふやす』を実現できると思った」と説明する。収益化は「まだ考えていない」が、今後はフリーミアムモデルで収益化を図りたいと話している。

(増田 覚)