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米LinkedIn、「カレッジページ」を新設~13歳から進路選択に活用

 米LinkedInは19日、「カレッジページ」の新設を発表した。同時に、利用規約を改定し、世界の大多数の地域で13歳以上から利用可能にし、LinkedInを進路決定のツールとしてアピールしていく方針を明らかにした。

 新「カレッジページ」は、デザインはFacebookページによく似ている。大学当局から発表されるキャンパスの最新情報や卒業生の情報を提供する場所となる。

 大学卒業生の進路、有名な卒業生などがLinkedInのネットワークに基づいて表示され、未成年の学生もこうした情報が閲覧可能となる。アルゴリズムによって似た種類の学校も表示されるため、進路や大学選択の参考にできる。さらに、カレッジページコミュニティや卒業生に質問をし、進学前に卒業生と人的ネットワークを築き始めることも可能となる。

 LinkedInは、これまでビジネスプロフェッショナル向けサービスであったため、未成年による利用は考慮されていなかった。このため、カレッジページ新設に合わせて利用規約を改定。国の規制などに合わせてデフォルトプライバシー設定、プロフィール情報開示のレベル、特別のカスタマーサポートの提供などを、未成年に適した設定にした。

 未成年者のLinkedIn加入可能年齢は国によって異なる。これは国による規制状況が異なるためだ。日本は13歳以上から、世界のほとんどの国も13歳以上だ。米国、カナダ、ドイツ、スペイン、オーストラリア、韓国は14歳以上、オランダは16歳以上、中国は18歳以上となっている。

 LinkedInは2年前に株式を公開した。インターネット企業の株式公開として数少ない成功例と考えられており、今年年初以来の株価は2倍に成長し、マネタイズにも成功している。

 一方で、Facebookなどと比べて若年層利用者の割合は少ないのが欠点とされる。カレッジページはその打開策とも言える。将来のLinkedIn利用者の獲得にもつながる。

 LinkedInは10代の若者向けにカレッジページを開設する目的について、「キャンパス内で会った(またはこれから会うかもしれない)輝かしいほど聡明で、クリエイティブで、勤勉な人々を、生涯にわたって続くプロフェッショナルな人脈に変えましょう」と説明している。

 現在学生の大学選択には大学ランキングが大きな役割を果たしており、いくつものランキングサイト、出版物が競い合っている。しかし、LinkedInの持つ卒業生のデータ、グラフ量を考えると、今後LinkedInがこの分野の強力なライバルとして新規参入することも十分に考えられる。

(青木 大我 taiga@scientist.com)