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JIAA、インターネット広告事業者向けのガイドラインを改定

 一般社団法人インターネット広告推進協議会(JIAA)は、インターネット広告において取得・利用されるユーザー情報の取り扱いに関する事業者向けの指針である「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」と「行動ターゲティング広告ガイドライン」を改定し、公表した。

 「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」では、個人情報保護法で定めている個人情報以外の情報についても、取り扱いによっては消費者のプライバシーに影響を与える可能性があることに鑑み、「個人関連情報」として取り扱い基準を示した。

 スマートフォンでの情報の取り扱いについては、スマートフォンアプリケーション向けの広告配信における情報の取り扱いに関して、プライバシーポリシーを消費者が容易に参照できる場所に掲示するよう努めることとした。また、識別子情報の取り扱いについてプライバシー保護のために考慮すべき要点を提示した。

 個人関連情報の第三者提供については、個人情報保護法に定める一定の要件を満たす場合に限り、本人の同意を得なくても個人情報を第三者に提供することができるとする「オプトアウト」による第三者提供を、「個人関連情報」にも適用するものとした。

 消費者への配慮については、スマートフォンがあらゆる世代に普及している現状から、青少年や高齢者にも分かりやすい形で適切な説明を行うことに留意すべきとした。

 プライバシー保護のための仕組みの導入については、「プライバシー・バイ・デザイン」の考え方に基づき、今後、具体的な実施手法である「プライバシー影響評価」などを検討して導入していくことを方針として盛り込んだ。

 「行動ターゲティング広告ガイドライン」では、行動ターゲティング広告に関して個人情報を取り扱う場合には個人情報保護法に従うものとし、行動履歴情報を含む個人関連情報の取り扱いについては「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」に従うものとすることを前提として、規定を整理した。

 広告配信経路が複雑化している現状に合わせ、各事業領域(掲載媒体社、行動履歴情報提供社、配信事業社)の定義とその事業領域ごとに遵守すべき規定を整理。1社で複数の事業活動を行っている場合には、該当するすべての規定が適用されるものとした。

 また、広告内や周辺に消費者への説明やオプトアウトへの動線を設ける「インフォメーションアイコン」の導入を、JIAAにおいて推奨・実践していくことも新たに盛り込んだ。

(三柳 英樹)