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MS、愛媛県をサイクリング天国に、自転車乗りのための地図・投稿サイト構築

 愛媛県と日本マイクロソフト株式会社は22日、「愛媛マルゴト自転車道サービスサイト」を公開した。県内のサイクリングロードのルートを地図サービス上で紹介するほか、コースごとの高低図や走行動画、グルメ・観光スポット情報も提供する。また、実際に現地を訪れたサイクリストや県民から写真や情報の投稿も受け付け、地図上から検索できるようにしていく。

22日に日本マイクロソフトで行われた記者会見で。(向かって左から)愛媛県イメージアップキャラクターのみきゃん、日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長、愛媛県の中村時広知事、愛媛県在住のプロサイクリスト門田基志さん

 愛媛県では、県内全域を“サイクリングパラダイス”にすべく、「愛媛マルゴト自転車道」という事業を推進中。その一環として、同県と日本マイクロソフトが連携してサービスサイトを開発した。

 愛媛県のサイクリングロードとしては、本四連絡橋の中で唯一、自転車道が整備されているという「瀬戸内しまなみ海道」がある。中村時広愛媛県知事は同ルートについて、サイクリングで絶景が楽しめる世界に誇れるコンテンツだとアピール。これを核に県内各地にサイクリングロードを整備することで、日本・世界各地からサイクリストを集客したい考えだ。現在、中・上級者向け11コース、ファミリー向け15コースの計26コースが設定されている。

 サービスサイトはウェブベースで提供するが、Androidアプリも用意し、スマートフォンから手軽に投稿できるようにする。時期は未定だが、iOSアプリも提供予定だ。

「愛媛マルゴト自転車道」の概要(「愛媛マルゴト自転車道サービスサイト」より)。「サイクリングは健康・生きがい・友情を与えてくれる」という“自転車新文化”を掲げている

 日本マイクロソフトでは、社会貢献活動の一環として2009年に「地域活性化協働プログラム」を開始。昨年までに11の自治体と覚書を交わし、ICTを地域活性化に役立てるための取り組みを展開してきた。その12番目の自治体として、愛媛県とは今年1月に覚書を締結している。

 日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長によると、これまでの協働プログラムでの連携は自治体の悩みを解決するためにICTを活用するという意味合いだったが、愛媛県との取り組みは前向きでポジティブな取り組みと言えるという。「単に自転車で走るだけでなく、ICTを用いることでより豊かに、(サイクリングが与えてくれる)健康・生きがい・友情を増幅させることができるのではないか」とした。

 サービスサイトの基盤にはパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」を活用し、投稿コンテンツの管理に「Microsoft Dynamics CRM」、地図情報サービスに「Bing Maps」といったマイクロソフトのテクノジーを使用している。

 樋口社長によると、すでにサンフランシスコやマイアミ、ロンドンでこうしたテクノロジーを活用した住民参加ソリューションの構築実績があり、それをベースに開発することで愛媛マルゴト自転車道サービスサイトを迅速に構築できたとしている。

 なお、サービスサイトの運用や今後の機能追加などは愛媛県の企業で構成するコンソーシアムが担当する。日本マイクロソフトでは、地域活性化協働プログラムに含まれるメニューとして「障碍者向け支援」「NPO基盤強化」「高度人材育成」といった各プログラムも2015年3月末まで愛媛県に提供し、障碍者のスキル習得や就労、人材育成なども支援していく。

「Microsoft Dynamics CRM」による投稿管理画面

(永沢 茂)