Mozilla、NY Times、Washington Postがメディアプラットフォーム開発へ

　米Mozilla、米The New York Times、米The Washington Postは19日、メディアウェブサイトの読者参加を改善し、ネットジャーナリズムを発展させるためのオンラインコミュニティプラットフォームをオープンソースで開発すると発表した。

　この開発費は、ジャーナリズムや芸術を支援している財団John S. and James L. Knight Foundationが、389万ドルを寄付する。開発終了後、その成果物は大手メディアだけでなく、誰もが使用できるとしている。

　開発するプラットフォームが解決しようとする課題について、Knight Foundation公式ブログでは「コメントする人が、本当に自分のコメントであると実感できるようなコメントシステムを構築できるならば、どうだろうか。読者がシングルサインオンの下で複数のニュースサイトを越えてオンライン・アイデンティティとそのサイトに貢献した物を管理できるならばどうだろうか。絵、リンク、自分で書いた記事さえも寄稿できるならばどうだろうか。議論の流れを追うことができたり、読者同士がお互いに友好関係を築くことができるならばどうだろうか。そのようなシステムはコミュニティの意識を構築し、自ら治安を守り、礼儀正しく振る舞うことにつながらないだろうか」と説明している。

　こうした問題を解決する無料、かつ効率良くスケーラブルなツールを大手メディアだけでなく、中小のニュースWebサイトやブログサイトに提供することで、高価で、カスタマイズが困難なプロプライエタリソフトウェアの代わりに使用できるようになる。

　特にどのWebサイトでもコメント欄が荒れることに困っているが、そのためのコストは誰もが支払えるわけではない。問題が解決されれば、読者が様々な方法でメディアに参加できるようになることが期待される。

　このプラットフォームの意義について、The Washington Postデジタルニュースプロジェクト担当ディレクターであるGreg Barber氏は、「これは出版社のための別の似たような出版プラットフォームではない。これは読者のための出版プラットフォームなのだ」とその意義を強調した。