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ベネッセ、「進研ゼミ」などの顧客情報が漏えい、最大で2070万件の可能性

 株式会社ベネッセコーポレーションは9日、同社が提供する通信教育サービス「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ」などの顧客に関する情報約760万件が外部に漏えいしたと発表した。漏えいしたデータベースに保管されている情報の件数から推定すると、最大で約2070万件が漏えいした可能性があるという。

 漏えいした可能性があるのは、ベネッセの通信教育サービスなどを利用または過去に利用していた顧客の情報。漏えいした情報の項目は、郵便番号、顧客である子供とその保護者の氏名(漢字およびフリガナ)、住所、電話番号、子供の生年月日・性別で、クレジットカード番号や成績情報などその他の項目は含まれない。

 ベネッセによると、6月26日以降、「ベネッセのみに登録していた個人情報で、他社からダイレクトメールやセールス電話が来ている」という問い合わせが急増し、調査を開始。6月30日には、経済産業省に状況の報告と今後の対応について相談するとともに、所轄の警察にも状況の報告と対応について相談した。

 その後、調査会社が名簿事業者を把握し、入手した名簿とマッチングした結果、ベネッセが保有するデータが漏えいした可能性が極めて高いと判断。社内調査を進める中で、特定のデータベースから何らかの形で外部に顧客情報が持ち出されていたことが7月7日に判明し、ベネッセからの相談に基いて警察が捜査を開始したという。

 また、ベネッセでは漏えいした顧客情報の拡散防止と二次被害の防止のため、名簿を使ってダイレクトメールの送付や電話をかけている企業と名簿事業者に対して、名簿の利用・販売の中止を求める書簡(内容証明郵便)を発送した。

 ベネッセでは、社外からの不正アクセスについて、過去にさかのぼってその可能性を検証したが、顧客情報の漏えいにつながる不正アクセスによる異常は発見されておらず、セキュリティ専門会社が行っている不正アクセスの監視でも異常がなかったことしている。

 また、社内調査では、原因として、同社グループ社員以外の内部者(データベースにアクセスできる権限を持つ者)による情報漏えいと推定しているが、すでに警察の捜査も始まっており、捜査に支障が出る可能性があるため、詳細については開示を控えるとしている。

 ベネッセでは、当該データベースの稼働を停止し、今後はすべての顧客情報を扱うデータベースについて、アクセスの監視強化と外部への持ち出しの制限の強化などの対策を進めるとしている。

 また、通信教育など現在提供しているサービスやサポートは継続するが、今後、情報セキュリティ専門会社による監査において安全性が確認されるまでの間は、新たな顧客への販売促進活動は停止すると説明。ベネッセと誤認させるようなダイレクトメールや、しつこい勧誘、詐欺まがいの電話などに注意してほしいとしている。

(三柳 英樹)