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「HTML5」がついにW3C勧告に

 World Wide Web Consortium(W3C)は28日、HTMLの第5版である「HTML5」をW3C勧告として公開したと発表した。

 HTML5の新機能としては、以下のような項目を挙げている。

  • ウェブ上で利用されるビデオや音声情報をプラグイン不要で再生
  • プログラム可能な方法でビットマップ図形を二次元描画(グラフ、ゲーム用グラフィックス、その他画像の動的描画)
  • SVG(スケーラブルベクターグラフィックス)およびMathML(数式記述)のHTML5文法としてのサポート
  • 東アジア地域向けのテキスト組版(Ruby)
  • 機能豊富なアプリケーションにおけるアクセシビリティの担保

 HTMLは、1997年に「HTML 4.0」が勧告された後、その修正版の「HTML 4.01」が1999年に勧告。以来、これが長きにわたって標準となっていた。

 一方でW3Cは2007年、W3CはHTML次期標準の策定作業に着手。2012年12月に、HTML5の仕様定義の完了を発表していたが、「一度書けばどこでも展開可能」ということを保証するため、W3Cコミュニティがその後22カ月にわたり、HTML5テストスイートに10万以上のテストを追加してきたという。現在ではブラウザーなどでもすでにHTML5のサポートが行われてきているが、今回のW3C勧告により正式に標準となった。

 W3Cのディレクターであるティム・バーナーズ=リー氏は、「ビデオやオーディオをブラウザー上で見たり、ブラウザー上で通話をすることは、今や当然のこととして受け止められている」「写真や店舗の共有、ニュースの入手、情報の検索はどこからでも、どのデバイスからでも可能にすることを期待しているHTML5とオープンウェブプラットフォームはユーザーのさらなる期待に応える」とコメントしている。

(永沢 茂)