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北朝鮮のIT労働者が身分を偽り就労する実態への注意喚起、日米韓ほか11カ国が共同署名

稼いだ資金は不法な核兵器や弾道ミサイル計画の資金源に

 国家サイバー統括室(NCO)は7月31日、「北朝鮮IT労働者に関する各国・企業等に対する注意喚起」について公表した。同文書には日本、米国、韓国、豪州、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ニュージーランド、英国の11カ国が共同署名している。

 北朝鮮では、IT労働者を派遣して身分を偽り他国の労働受発注のためのオンラインプラットフォームを通じて業務を受注させ、稼いだ資金を不法や核兵器や弾道ミサイル計画の資金源にしているとされる。

 これは、国際連合安全保障理事会北朝鮮制裁委員会専門家パネルの報告書に基づくもの。2024年3月には警察庁が注意喚起を実施し、2025年9月には日米韓の3国の共同声明として、同様の注意喚起を行っている。

 注意喚起では、北朝鮮IT労働者の手口のほか、プラットフォーム運営者と、IT技術者への業務発注や雇用をする人から確認できる、北朝鮮IT労働者のアカウントの特徴的な行動を解説。本人確認の強化や、不審なアカウントの探知などの対策強化を促している。

北朝鮮IT労働者は信頼を得るため代理人を利用

 北朝鮮IT労働者は、身分証明書の偽造や第三者へのなりすましにより、オンラインプラットフォームにアカウントを作成する。第三国に在住する代理人などから提供を受けた身分証明書の画像を使用してアカウント登録を行う一方で、実際の業務は北朝鮮IT労働者自身が行っている。

 アカウントの作成や採用面接への参加、さらには対面での接触を通じて信頼感の醸成を図り、業務契約を獲得するために、第三者の代理人を利用するケースがますます増えているという(対面での接触機会には「身代わり」として代理人を利用する)。

 そのほか、次のような手口の特徴も挙げられている。

  • 銀行口座への直接振込での支払いを避けようとする場合が多く、送金サービスや暗号資産での支払いを求めることがある
  • 高い技能を有することが多く、ウェブページやモバイルアプリのほかブロックチェーン・アプリケーションなど、幅広い業務を探している
  • 北朝鮮国内のほか、中国、ロシア、東南アジア・アフリカ諸国に在住しながら、第三者の代理人やVPNなどを利用し、外国から作業を行っている事実を秘匿している場合がある
  • 米国などの第三者の代理人を通じて、企業から支給されたノートPCを運用する「ラップトップ・ファーム」を運営している。北朝鮮IT労働者自身は遠隔でそのノートPCにアクセスし、所在地を隠蔽する
  • 自ら開発した自動売買システムで不正にFX取り引きを行い、外貨を取得している場合もある

 このほか、プラットフォーム運営者向けの特徴として、アカウント名や銀行口座などの情報を頻繁に変更する、アカウント名と受取口座名が一致しない、1つのIPアカウントから複数のアカウントにアクセスしている、などが挙げられている。

 業務発注・雇用者向けの特徴としては、プロフィールに誤訳が含まれる、ウェブ会議の映像に不整合が見られる、一般的な相場より安価で仕事を求める、などが挙げられている。