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W3C、HTML 4の後継となる次期HTMLの標準策定に着手


 World Wide Web Consortium(W3C)は7日、現在の標準である「HTML 4」の後継となる、次期HTML標準の策定に向けて作業部会を設置すると発表した。2007年6月には最初のワーキングドラフトを公開し、2010年までに仕様を公開する予定。

 W3CによるHTMLの標準化は、1997年に「HTML 4.0」を勧告した後、1999年に修正を加えた「HTML 4.01」を勧告し、これが現在でも標準となっている。W3CではHTML 4の標準化作業を完了した後、HTMLをXMLにより再定義した「XHTML」を次世代の標準と定め、標準化作業を開始。2000年には「XHTML 1.0」、2001年には「XHTML 1.1」を勧告し、現在は「XHTML 2.0」の標準化作業を進めている。

 一方、旧来からのHTMLによるWebコンテンツも数多く存在していたことや、WebブラウザでのXHTMLのサポートが遅れたことなどから、コンテンツ制作側ではXHTMLへの移行はあまり進まなかった。こうした状況から、Webの開発や設計に携わる関係者らはW3Cに対し、HTMLに対する見解を改め、HTML 4を基準として利用実態に即した新たな機能を追加するなどの新たな標準を策定するように要請。W3Cでは新たなHTML標準の策定に向け、HTML Working Group(作業部会)を設置する。

 HTMLの次期標準については、見直しを行なう部分や追加するべき機能、仕様の名称などについてはこれから検討を開始する段階で、現時点ではドラフト案なども発表されていない。ただし、作業部会の予定表では、2007年6月には最初のワーキングドラフトを公開するとしており、最終的な仕様の公開予定は2010年第3四半期としている。

 また、XHTMLについては、携帯機器や業務アプリケーション、サーバー側での運用、WebアプリケーションなどではXHTMLの普及が進んでいるとして、次期HTMLとともにXHTML 2.0の標準化作業も進める。

 HTMLの発明者でW3Cの技術統括責任者を務めるTim Berners-Lee氏は、「HTMLはいかなる対象にもリンクを張ることができる、使用許諾不要の簡潔な構造化記述言語として世に送り出された。何よりもこの簡潔さとオープン性こそが、その後の想像を遥かに超える広範かつ継続的な普及へとつながった。今こそ、HTML標準を再検証し、Webに携わる現在の関係者らからの要望に応えるべく、W3Cとして取るべき方策を把握するとともに、Webブラウザ開発組織からの参加協力を受けて、誰もが把握可能かつオープンな方法で実際にそれらを効果的に遂行すべき時に来ている」とコメントしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.w3.org/2007/03/html-pressrelease
  W3C HTML Working Group(英文)
  http://www.w3.org/html/wg/
  関連記事:W3C、XMLベースの次世代HTML仕様「XHTML 1.0」を勧告として発表
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2000/0127/xhtml.htm
  関連記事:W3CがHTML 4.0を勧告
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/971219/html40.htm


( 三柳英樹 )
2007/03/08 16:02

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