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JAXA、陸域観測技術衛星「だいち2号」観測データの定常配布を開始

 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、5月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」の初期機能確認運用および初期校正検証運用を終了し、11月25日より観測データの定常配布を開始した。

陸域観測技術衛星「だいち」と「だいち2号」が撮影した画像の比較

 だいち2号は「Lバンド合成開口レーダー(PALSAR-2)」を搭載。地殻変動や森林の観測などに適したLバンド(1.2GHz帯)の周波数を用いることで、昼夜や天候に左右されず、地表の画像を取得することができるという。

 また、画像の分解能が向上。以前JAXAが運用していた「だいち」の「PALSAR高分解能モード」が分解能10mだったのに対し、だいち2号の「スポットライトモード画像」では分解能が1m×3mに向上している。

 なお、一般ユーザーへの配布は、だいち2号運用・観測データ一般配布共同企業体を窓口としている。これには、一般財団法人リモートセンシング技術センターや株式会社パスコを挙げている。

9月27日に発生した長野県・御嶽山の噴火を観測。変化したところが紫に色付けされている
海上保安庁がオホーツク海の流星監視に「だいち2号」を2014年冬より定常利用の予定
海上の船舶の位置や進行方向・速度を推定可能
森林面積の変化を把握することで、伐採監視にも利用できる

(山川 晶之)