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シャープ、電子書籍の「ブラウザビューア」技術を法人向けソリューションで提供
(2014/12/16 13:30)
シャープ株式会社は16日、電子書籍をブラウザー上で閲覧できる「ブラウザビューア」技術を活用したソリューションを、電子書籍の法人向けソリューション事業で展開していくと発表した。
シャープでは、HTML5対応のブラウザー上で電子書籍を閲覧できるブラウザビューア技術を開発。自社で展開する電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」でも、ブラウザー上で電子書籍のサンプルを閲覧できる「ブラ読み」機能や、無料作品を閲覧できる「ブラ読み 0円ライブラリー」といった機能の提供を12月10日に開始した。
また、シャープでは法人向けにも電子書籍事業を展開しており、自社で電子書籍ストアを展開したいという企業や、電子書籍コンテンツを利用したプロモーションを展開する企業などに対して、コンテンツ制作や配信システム、ビューアなどをソリューションとして提供している。
シャープでは、こうした法人向け電子書籍ソリューション応用商材を、「EBLIEVA(エブリーバ)」というブランド名で展開。ブラウザビューア技術も「EBLIEVAブラウザビューア」として企業向けに提供する。
イオングループの書籍専門店である株式会社未来屋書店では、運営する電子書籍ストア「mibon(ミボン)」に、EBLIVAブラウザービューアを採用。サイトの利用促進施策として、週替りで合計184タイトル(コミック、文芸、雑誌)の作品を、会員登録不要でブラウザーから無料で閲覧できるキャンペーンを実施する。キャンペーン期間は2014年12月16日~2015年1月18日。
mibonにとって、これまではユーザーに専用アプリをインストールしてもらうことが障壁となっていたが、会員登録不要でまずコンテンツを見てもらい、その後に会員登録やコンテンツ購入につなげることで、利用客の拡大につなげていきたいとしている。
カタログ通販サービスの株式会社ニッセンに対しては、ニッセンのウェブサイトを訪れた会員に対して、電子書籍(雑誌)を無料で閲覧できる「コンテンツギフト」ソリューションを提供する。実施期間は2014年12月18日~2015年2月17日予定。
マーケティングソリューション企業の株式会社CDGに対しては、サービス業や飲食店の待合室など、訪れた場所でのみ電子書籍(雑誌)を閲覧できる「マガジンスポット」ソリューションを提供する。CDGが12月以降、飲食店などのほか、空港や病院など待ち時間の多い業態や、美容室など雑誌を定期的に購入している業態、イベントでの資料やパンフレットの配布といった用途に向けて展開していく。
「コンテンツギフト」「マガジンスポット」の両ソリューションとも、展開先のターゲット層に合わせて、雑誌などのコンテンツをシャープがパッケージ化して提供。ビューアのデザインやページ中のバナー、キャンペーンページへのリンクなども、クライアントの要望に応じてカスタマイズに応じる。
シャープのデジタル情報家電事業本部モバイルソリューション事業部ネットワークソリューション推進部の松本融氏は、ブラウザビューア技術を活用した電子書籍ソリューションを提供することで、「これまでは『まずアプリをインストールしてください』だったものが、『まずコンテンツを楽しんでください』に変わり、最初の敷居を下げることができる」と効果を説明。アプリからウェブになることで、既存のウェブサイトとの連携やユーザー導線の変化にも期待でき、「電子書籍市場自体も大きくできるのではと考えている」と語った。