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Google、改造市販車ではない自動運転自動車のプロトタイプ一号機を完成

 米Googleは22日、改造市販車でない自動運転自動車のプロトタイプ一号機の製作を完了したと発表した。

自動運転自動車のプロトタイプ一号機(Google Self-Driving Car Project公式Google+ページより)

 Googleの自動運転自動車はこれまで、カメラやセンサーなどの自動運転に必要な技術を、市販車を改造して取り付けていた。センサーやコンピューターだけでなく、車としての機能をすべて備えた自動運転自動車を、プロトタイプとはいえ一から作り上げたのはGoogleにとって今回が初めてとなる。

 Googleは今年5月、人間の操作を必要とせず、そのためにハンドルすら搭載していない自動運転自動車のモックアップを公開していた。

 そのモックアップではヘッドライトは絵で描かれていたのに対し、プロトタイプでは本物のヘッドライトが取り付けられている。また、モックアップでは天井のセンサーが大きく飛び出しているのに対し、プロトタイプでは小さめの突起に収まっている。しかし、デザインとしては非常によく似ており、5月に同時公開されていたデザイン画と似ている。

今年5月に公開した自動運転自動車のモックアップとデザイン画(Google公式ブログ5月27日付記事より)

 Googleはプロトタイプ開発のために、通常の車で当然必要となるステアリング機構やブレーキなどのさまざまな部品、さらに自動運転自動車で特に必要となるコンピューターやセンサーなどをテストするために、“プロトタイプのプロトタイプ”を多数開発してテストしてきたという。そして最終的にこれらのシステムを一台の自動運転自動車として組み立て、完成させた。

 発表によれば、このホリデーシーズンにテストトラックでの試験走行を行い、年明けからカリフォルニア北部の道路を走行するとしている。その際、安全確保のために人間の運転手が必要な場合に手動で操作を行うという。

(青木 大我 taiga@scientist.com)