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コミスタこと「ComicStudio」が6月30日で販売終了、日本のマンガ制作を14年間支えてきた定番ソフト
(2015/4/27 13:00)
株式会社セルシスは、マンガ制作ソフト「ComicStudio」とイラスト制作ソフト「IllustStudio」の販売を6月30日で終了すると発表した。
ComicStudioは「コミスタ」の愛称で知られ、プロの漫画家にも使用されている国内マンガ制作ソフトのスタンダード。しかし、2001年に発売された製品であることからプログラムの基本構造が古く、64ビットOSやマルチコアCPUなど、最近の高性能PCや新しいOSの機能を生かしきれていないという。また、新しい技法や表現に対応し続けるために機能を追加するにもプログラム修正の作業が多く発生することから、セルシスでは後継のイラスト・マンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」シリーズに開発リソースを集約することにした。
販売は終了するが、ユーザーサポートは当面継続。具体的な日程はユーザーの使用状況を鑑みて検討するとしており、少なくとも2018年末まではサポートを継続する。その間、新OSに対応するアップデートは提供しないとしているが、新OSでの動作確認を実施し、結果を報告する。
なお、すでにComicStudioで制作環境を整えている漫画家がアシスタントを増員する際など、特別な事情がある場合に限り、引き続きComicStudioEXを新規インストールして使用できるよう配慮する。具体的には、CLIP STUDIO PAINT EXを購入することでComiStudioEXの無償利用の申し込みが行える。利用期間は、2017年12月末までの限定。
ComicStudioについては、その販売終了が最初に告知された2012年末時点で、すでに後継のCLIP STUDIO PAINTシリーズが販売されていたが、当時はComicStudioの上位互換と言える機能を十分に備えていなかったことから、ComicStudioの販売継続を求める声が広がった経緯がある。
こうした声を受けてセルシスでは、販売終了時期を延期するとともに、その後の約2年間でCLIP STUDIO PAINTに新機能を複数追加。ComiStudio/IllustStudioユーザーがCLIP STUDIO PAINTに移行しやすいようアップデートを行ってきたとしている。
ComicStudio/IllustStudioの販売終了日を発表したのにあわせ、セルシスでは6月30日13時まで、両製品の既存ユーザーがCLIP STUDIO PAINTに格安で移行できる優待キャンペーンを実施する。
このほか、販売を終了する「ComicStudioEX 4.0」の割引セールも6月30日13時まで実施。通常価格2万9800円のダウンロード版を、1万7200円(税込)で提供する。また、「ComicStudioEX」バリュー版のユーザーにも割引セールを実施し、これまでの総支払額が1万7000円を超えているユーザーには、無料でComicStudioEXの無期限シリアルナンバーを発行する。支払総額が1万7000円未満のユーザーは、差額をまとめて支払うことで無期限のシリアルナンバーを取得できる。