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「Airレジ」2周年、アカウント数は21万突破、ICクレカやモバイル決済への対応でインバウンド用途にも注力

 株式会社リクルートライフスタイルは19日、スマートフォン/タブレット向け無料POSレジサービス「Airレジ」が2周年を迎えたのを記念し、都内で「Airレジカンファレンス2015」を開催。Airレジの現状や新機能を紹介した。

(左から)株式会社リクルートライフスタイルAirウェイトプロデューサーの渡瀬丈弘氏、同社執行役員ネットビジネス本部スモールビジネスソリューションユニット長の大宮英紀氏

「Airレジ」と連携したクレジットカード決済サービス「Airペイメント」

 カンファレンスでは、Airレジと連携したクレジットカード決済サービス「Airペイメント」を紹介した。クレジットカード事業を展開する株式会社リクルートペイメントと共同で提供を開始したもの。

 Airペイメントは、初期費用0円(別途カードリーダー代が必要)で利用でき、決済手数料は3.24%。ユーザーへの入金は、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の口座宛ての場合、月に最大6回まで振込手数料が無料となる。他行の場合は最大3回まで。利用控えは、メールでユーザーに送信するか、対応プリンターから印刷することができる。

 Airペイメントで採用するカードリーダーは、Miura Systems製の「M010」。クレジットカードのセキュリティ国際標準規格である「EMV」をサポート(PINコード入力に対応)するほか、非接触(NFC)、サインによる決済にも対応する。スマートフォン/タブレットとはBluetoothで接続。バッテリーは、充電後未使用の状態で最大7日間持続する。

 クレジットカードはVisa、MasterCardに対応。JCB、American Express、Diners Club、Discoverなどのブランドは、来年度の取り扱い開始に向けて検討中だとしている。また、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、ポイントカード、コンタクトレス決済にも対応する。

 なお、審査通過月を含む4カ月間に3万円以上Airペイメントで決済した場合、9980円のカードリーダー代を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施する。

IC対応クレジットカード決済サービス「Airペイメント」
決済手数料は3.24%、一部銀行では月6回まで振込手数料無料で入金される

モバイル決済アプリと連携、旅行情報や多言語対応でインバウンドもカバー

 リクルートライフスタイルは、モバイルペイメント事業も展開。決済事業を手掛けるベリトランス株式会社と共同で「モバイル決済 for Airレジ」を12月1日に提供開始する。先述のAirペイメントも含め、現金、クレジットカード、モバイルでの決済をAirレジでサポートする形になる。モバイル決済 for Airレジ単体で使うことも可能。初期費用は発生しないが、別途決済手数料が発生する。

 ユーザーがスマートフォンで提示する決済サービス用のQRコードを、モバイル決済をインストールしたiOSデバイスで読み込むだけで決済が完了する。まずは、4億人以上のユーザーを持ち、中国モバイル決済市場の8割以上のマーケットシェアを持つ決済アプリ「Alipay」をサポートする。また、2016年春ごろに「LINE Pay」にも対応する予定だ。

 AliPayへの対応はインバウンド需要に応えるもので、アプリの表示画面は日本語、英語、中国語に対応。リクルートの持つ「HOT PEPPER グルメ」「HOT PEPPER Beauty」「じゃらん」のコンテンツを中国語に翻訳し、Alipayアプリ上で展開予定だという。また、「多言語音声翻訳の利活用に関する開発・実証」を総務省から受託しており、外国人旅行者とのコミュニケーションにも活用できるようサービスに取り入れる予定だ。

スマートフォンなどでの決済に対応する「モバイル決済 for Airレジ」
中国モバイル決済大手の「Alipay」が「モバイル決済 for Airレジ」で利用可能に
決済だけでなく「Alipay」アプリ上に「HOT PEPPER ぐるめ」や「じゃらん」などのコンテンツを翻訳して提供する
訪日外国人が日本でしたいことは、「日本食」「ショッピング」「自然・景観地観光」などが占めている
国別での旅行消費額は中国が突出して多い
総務省委託の「多言語音声翻訳の利活用に関する開発・実証」に参加している

丸2周年を迎えた「Airレジ」のアカウント数は21万を突破

 リクルートライフスタイルでは、AirレジやAirマーケットのほか、順番待ち管理アプリ「Airウェイト」や、予約管理アプリ「Airリザーブ」など、大きく4つのAirアプリを展開している。Airウェイトは、店舗などの順番の待ち時間を解消するアプリで、来訪者が受付すると発行されるQRコードから、待ち時間の状況を確認することができる。また、「タビナカ支援」として、待ち時間時に利用できる周辺店舗のクーポン券機能なども有する。現在、一部量販店の修理受付窓口など、顧客の待ち時間が多い業種のユーザーに利用されているという。

 Airレジのアカウント数は丸2周年目となる11月19日時点で21万アカウントに達している。初期費用・月額費用が無料であり、スマートフォン/タブレットとインターネット環境があれば使えること、税制や法改正に自動的に対応するなど、従来のネット対応レジスターや高額なコストがかかるPOSシステムと比較して、低コストかつ手間なく、ユーザーがより業務に集中できるソリューションであることをアピールした。

「Airレジ」「Airウェイト」「Airリザーブ」「Airマーケット」の4つのAirサービスを展開
「Airマーケット」は、店舗運営に関連するサービスをまとめたもの
「Airウェイト」は、順番待ちの管理や顧客管理、分析が行える
「Airウェイト」を導入した端末から受付するとQRコード付きのレシートを受け取れる
QRコードから順番や呼び出し設定を確認できる
そのほか、受付専用モードや大型ディスプレイで待ち時間などの情報を表示する外部ディスプレイ用のモードを搭載する
レシートに周辺店舗のクーポンを付けることができる
大型量販店の修理受付窓口などで採用されている
「Airレジ」のアカウント数は2年で21万を突破
「Airレジ」は、既存のPOSシステムと比べて簡潔かつスマートに、初期投資を抑えて利用できるという
「Airレジ」では、注文入力・会計のほか、売上管理、予約管理、顧客管理、在庫管理のほか、「freee」など外部サービスと連携可能
「Airレジ」の特徴
「Airレジ」の特徴
バックヤードで発生していた手間が減らせることで、少ない投資額で時間をより業務に充てることができるとしている

(山川 晶之)