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成田空港でミリ波帯を用いた次世代無線LAN「WiGig」の実証実験、120分の動画を10秒でダウンロード
(2016/2/1 18:10)
パナソニック株式会社は、次世代無線LAN「WiGig」を使用したWiGigスポットの実証実験を、2月18日から26日まで成田国際空港(千葉県成田市)で実施すると発表した。
WiGigは、IEEE 802.11ad規格をベースとした60GHz帯を用いた無線LAN規格の1つ。通信距離は最大10m程度だが、最大7Gbpsの無線伝送が可能。実証実験では、空港内にWiGig対応のミリ波アクセスポイントを用いたホットスポットを設置し、「日本のおもてなし」に関する高精細映像のダウンロードが体験できる。アクセスポイントにはWiGig対応モジュールを3基搭載しており、複数ユーザーの同時接続時で1ユーザーあたり1Gbps以上の実行速度を実現するという。
各無線モジュールは、約120度の送受信指向角範囲を持っており、3つのモジュールを組み合わせることで、アクセスポイントの周囲360度をカバーする。また、ビームフォーミング技術により、目的外方向の電波干渉を抑え、複数のユーザーが同時にデータを送受信する際の速度低下を回避するという。なお、映像の転送デモには、WiGigに対応したUSBドングルを接続した専用の4Kタブレット端末を使用する。
既存の2.4/5GHz帯を使用する無線LANでは、公共施設などの一部の過密エリアにおいて、電波干渉による速度低下が発生する場合があるという。これに対して、WiGigは60GHz帯を用いることで電波干渉を抑えつつ高速通信が可能となる。
成田空港株式会社では、2020年の東京オリンピックに向けて、空港内にWiGigスポットを整備することで、観光客などが映像などのコンテンツをダウンロードし、機内や旅先で楽しめるようなサービスの実現を目指すとしている。