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「Kindle Oasis」は3万5980円からのハイエンドモデル、Amazonが電子書籍端末の第8世代新製品

予約受付がスタート、4月27日より出荷

 Amazon.comは、電子書籍専用端末「Kindle」の第8世代となる新モデル「Kindle Oasis」を全世界で同時発表した。Amazon.co.jpでは日本時間の13日夜より予約を受け付けており、27日に出荷開始の予定。

 価格(税込)は、最も安価なキャンペーン情報付きのWi-Fiモデルが3万5980円。このほか、キャンペーン情報なしのWi-Fiモデル(3万7980円)、キャンペーン情報付きのWi-Fi+無料3Gモデル(4万1190円)、キャンペーン情報なしのWi-Fi+無料3Gモデル(4万3190円)がラインナップされている。

 Amazon Kindleは現在、「Kindle」「Kindle Paperwhite」「Kindle Voyager」の3モデルがラインナップされているが、Kindle Oasisはそれらの上位となるハイエンドモデルで、従来のモデルも併売される。

 Kindle Oasis本体の重量は131gで、これまでの最上位モデルであるKindle Voyageから47g軽量化されている。サイズも143×122mm(縦×横)と小型化。最厚部は8.5mmだが、背面全体の約3分の1が3.4mmの薄さとなっている。

 ディスプレイは、第5世代となるPaperwhiteディスプレイを搭載。6インチサイズ、16階調グレースケール、300ppiの解像度は従来モデルと変わらないが、フロントライトLEDを60%増やしたうえで、光をより均一化する技術を採用。これまで最も明るかったKindle Voyageとの比較でも10%以上明るく、白い部分がより白くなり、応答速度も若干ながら向上しているという。

 外付けバッテリーを兼ねる専用の革製カバーが標準で付属し、12カ所のマグネットで本体に取り付け可能。本体背面の薄型部分を覆う形で取り付けできる。

標準付属の革製カバーはブラック、メルロー、ウォルナットの3色を用意

 バッテリー駆動時間は、本体単体でも1日30~40分読書して9週間以上とのことだが、カバーを取り付けると数カ月利用できるという。バッテリーセルにはカスタム形状を採用することで、より大容量化している。また、従来モデルでのスリープに加え、ハイバネーション(休止)モードを新たに採用しており、さらに長時間の利用が可能となった。

基本的にはカバーを取り外して利用する。最薄部は3.4mm
カバーを取り付けると本体の薄型部分を覆うような形になる

 筐体デザインは片手での操作を想定しており、持った時に親指の先に来る位置に従来はなかったページめくりのボタンを装備。持つ手が左手でも右手でも画面の向きが重力センサーによって自動的に切り替わる。もちろん従来通りタッチスクリーンでの操作も可能だ。

 このほか、数千冊の小説を保存できるという4GBメモリ、PC接続と充電に用いるUSB 2.0ポートなどの仕様は従来モデルと同じ。

 2007年11月の初代Kindle提供から8年を迎え Kindle Oasisは「重要なマイルストーン」(アマゾンジャパン株式会社バイスプレジデントKindle事業本部長の玉木一郎氏)として位置付けられる製品だという。

 Amazonでは「1分以内にあらゆる本を読者の元へ届ける」ことを目指し、Kindleのようなデバイスを含む電子書籍事業を手掛けてきた。

Kindle Oasisを手にしたアマゾンジャパン株式会社バイスプレジデントKindle事業本部長の玉木一郎氏

 Kindleについては、「究極の目的は読者が端末の存在を忘れるくらい単純に読書に没頭できる環境を提供すること」だとし、その条件として、「持っていることを忘れるほど、軽く持ちやすいことと、充電にわずらわされないこと」を挙げた。

 これを実現するために「今までとは違うアプローチでデザインを含めてゼロから作り直した」とのことだ。 Kindle Oasisのデザインは人間工学に基づいており、段差を設けて手に持つ側を厚く、重心を手のひら側に20%くらい寄せているとのこと。サイズの小型化とあわせ、より持ちやすくなった。

 また、「航空・防衛、一部の競技用スポーツだけで使われてきた」という、ポリマー樹脂をコアにした高剛性ナノプレーティングの技術を新たに採用することで、金属よりも軽く、衝撃に強い強靭さを備えた筐体を実現したという。

(岩崎 宰守)