「mixiアプリモバイル」で国内ベンダーに期待、mixi原田取締役


ミクシィの原田明典取締役mixi事業本部長

 ミクシィは27日、携帯電話向けサービス「mixiアプリモバイル」を公開した。8月から正式版を提供しているPC向け「mixiアプリ」の状況も含め、同社の原田明典取締役mixi事業本部長に話を伺った。

 「mixiアプリモバイル」は当初、9月の公開予定だった。ミクシィやパートナーの開発状況、特に負荷対策に時間を要したという。「mixiアプリが予想以上にトラフィックを集め、その負荷分散を行った」。また、課金システムについては、11月上旬の導入を予定する。

 「mixiアプリモバイル」については、「mixi」ユーザーの7割が「mixiモバイル」を利用していることから、アプリの利用者数がさらに増えることを期待しているという。「空き時間にいつでも携帯電話からアクセスできるため、ソーシャルアプリと相性が良い。PC版以上に多く使われるポテンシャルがある」とした。

 また、「ソーシャルアプリの場合は、従来のオンラインゲームのような深いゲーム性は必要ない」ため、小さい画面でも操作できるシンプルなUIにできることも利点だという。「携帯電話向けのソーシャルアプリは市場としてまだまだこれから。PC版と比較できないくらい大きなマーケットになる」と原田氏は考える。

海外ベンダーのソーシャルアプリに触発された国内ベンダー

PC向けの「mixiアプリ」ポータルページ
「mixiアプリモバイル」ポータルページ

 「mixiアプリ」に関して原田氏は、「当初の予想をかなり上回るペースで利用者数が増えている」と話す。その理由としては、ソーシャルアプリの開発に慣れた海外ベンダーが参入してきたことを挙げた。

 10月現在、「mixiアプリ」のランキング上位にある「サンシャイン牧場」や「みんなの農園」はどちらも海外ベンダーが提供したものだ。「サンシャイン牧場」は提供開始から約2カ月で利用者数が200万人を超えた。

 原田氏によれば、海外ベンダーは「Facebookの次」を探しており、日本で人気のmixiに参入するのは自然な流れと言える。また、「シンプルなゲームのアプリであれば、言語の壁を簡単に越えられる」ため、ローカライズも容易だった。

 「ソーシャルアプリは、従来のオンラインゲームとは違うものだということが、国内ベンダーにはまだ浸透していない。Facebookなどですでにソーシャルアプリを提供している海外のベンダーは、ソーシャルという部分をよく理解している」。

 ゲームとしてはシンプルだが、そこにソーシャルの要素を加えることで、今までとは違った面白さが生まれる。「ソーシャルといっても、全国のユーザーランキングやマイミクランキングなどではなく、コミュニケーションを絡めていくことで、一緒にゲームを遊んでいる感覚になる」。

 国内ベンダーに対しては、4月に行われた「mixiアプリ カンファレンス 2009」でソーシャルアプリの基本的な部分を説明しているが、「その時点では、他のオンラインゲームなどと差別化を図るために、マイミクの仕組みを使うくらいにしか考えられていなかったのではないか」。しかし、海外ベンダーの事例を見て、ソーシャルの生かし方が認識され始めているという。

 原田氏は、「mixiアプリモバイル」の登場で、国内ベンダーの展開に期待を寄せる。「日本はモバイルに慣れている。そこにソーシャルという新しい要素が加わる。開始当初は104アプリで、ソーシャルを生かしたアプリは少ないが、今後、ソーシャルならではの楽しみがあるアプリがどれだけ出てくるのかがキーになる」とした。「mixiアプリモバイル」のヒットメーカーは国内ベンダーになる可能性も高いという。

 PC向けの「mixiアプリ」は、10月現在で450タイトル以上が公開されている。「mixiアプリモバイル」については、来春までに300~400タイトルの公開を見込む。

mixiアプリモバイルの例。開始当初で104アプリを公開。そのうちPC版もあるものは40アプリ


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(野津 誠)

2009/10/27 16:45