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「mixi会員数2000万人は通過点」笠原社長が描く未来像


ミクシィの笠原健治社長

 ミクシィは14日、SNS「mixi」の会員数が2000万人を突破したと発表した。「mixiは多くの人が当たり前に使うインフラとして育ってほしい」というミクシィの笠原健治社長が、これまでの経緯や今後の展望を語った。

 笠原氏によれば2008年8月以降、mixiのユーザー数の伸びは鈍化していたという。しかし、2009年8月にPC版「mixiアプリ」、9月に「mixiボイス」、10月にモバイル版mixiアプリ、11月に「mixi同級生」といったサービスを投入したことにより、会員の増加ペースが復調したと振り返る。

 2010年3月には、既存会員の招待状がなくても新規会員登録できる“登録制”を導入し、会員数の増加を後押しした。会員数2000万人は「まだ通過点」と述べる笠原氏。具体的な時期は未定としながらも、将来的には「多くの人が当たり前に使うインフラ」として日本国民の約半数に相当する会員数4000〜5000万人を目指す考えだ。

 なお、登録制を開始した3月には、一部地域を除く全国でテレビCMを放映した。効果は検証中だというが、狙いは新規会員の獲得ではなく、「人と人の心のつながり」というmixiの本質を理解してもらうことだったと笠原氏は語る。「CMの最後に検索窓やURLを出さなかったのもそのため」。

 「少し遠回りに見えるかもしれないが、mixiの本質を理解した人に会員登録してもらうほうが、より長くアクティブに使い続けてもらえると判断した。今後は、mixiの具体的な機能にフォーカスする可能性はあるが、『100以上の無料ゲームや400万以上のコミュニティがある』といった会員獲得目的のCMを打つ考えはない。」

mixiアプリ収益化には時間がかかる

 mixi上で投稿した150字以内のコメントをマイミク同士などで共有できる「mixiボイス」に関しては、コメントを投稿するユーザーの数は非公表ながらも、右肩上がりで増えていると説明。類似サービスのTwitterについては、「ブログとmixi日記がともに成長したように、Twitterとmixiボイスも棲み分けられる」と自信をのぞかせた。

 mixiアプリについては、「国内のネット系企業には認識してもらい、良質なアプリが生まれる循環が整ってきた」と評価。一方、mixiアプリの1ページビューあたり最低0.01円を広告収入としてアプリ開発者に支払うほか、アイテム課金も売り上げの8割を還元する仕組みを取っていることもあり、収益面での立ち上がりには時間がかかると見ている。

 これに対して、ソーシャルゲームが好調な「GREE」や「モバゲータウン」は、アイテム課金型ゲームなどにより大幅に収益を伸ばしているが、笠原氏は「狙っている市場が違うので、全く気にならない」と意に介さない。

 「GREEやモバゲーが対面しているのは、見ず知らずの人がつながるオンラインゲームの既存市場。一方、mixiは実際の友人とコミュニケーションするために利用する、これまでにないソーシャルアプリの市場を狙っている。収益の絶対値やスピードに差が出るのは仕方がないこと。」

GREEやモバゲーとは枠組みが異なる、意識するのはFacebook

 「GREEやモバゲーとは枠組みが異なる」と強調する笠原氏。むしろ、意識しているのは、日本への本格的な進出を果たそうとしているSNS世界最大手の「Facebook」だ。具体的な“対抗策”は明かさなかったが、「ユーザー間でコミュニケーションをとりやすくしたり、仲の良い人を見つけやすくする仕組み」を強化する考えだ。また、SNSの友人関係を利用するソーシャルアドの展開も視野に入れているという。

 笠原氏によれば、Facebookは米国民の半数近くが使っている状況。遅れを取っている理由としては「サービス改善の余地」や「招待制で引っ張ってきたこと」などを挙げるが、登録制への移行に加えて、mixiアプリやmixiボイス、mixi同級生などの施策を積み上げた手応えとして、「まだ伸びしろがある」と感じている。

 「世界の人口は68億人。ゆくゆくは数十億人がSNSを使う可能性がある。そういう意味では、Facebookもまだ4億人程度。今後、数十億人が使うと考えれば、競争はまだ始まったばかり。我々は先行されている状況だが、彼らに負けないよう、日本の代表として頑張っていきたい。」

 ちなみに笠原氏は先日、シリコンバレーに行った際にアポ無しでFacebookのオフィスを訪問してきたという。「軽く自分の身分を明かしつつ、受付で(創業者でCEOの)『Zuckerbergさんいますか?』と言ったが、さすがに会えなかった(笑)」。


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(増田 覚)

2010/4/14 15:33