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ドコモのLTEエリアと高性能ルーター、安い価格が魅力の「@nifty do LTE」


 ニフティが10月15日に開始する「@nifty do LTE」は、安価な料金プランと高性能なルータを組み合わせた、NTTドコモのXi/FOMA回線を利用するLTEサービスだ。サービス名称は「LTEを使ってみよう」(do LTE)というメッセージを込めてつけられている。今回端末を借用してサービス開始前に利用してみたので、使用感や料金体系などをレビューする。

多機能かつ大容量バッテリー搭載の「Aterm MR01LN」

 「@nifty do LTE」サービスの魅力のひとつが、対応ルーターとして提供される「Aterm MR01LN」だろう。下り最大75Mbps、上り最大25MbpsのLTEとFOMAに対応したルーターで、2.4GHz帯802.11n/b/gの無線LANにも対応。クレードルに載せれば、クレードルの有線LANポートで有線LANにも対応する。3280mAhの大容量バッテリーを搭載し、LTE方式で約6時間、3G方式で約8時間の連続通信が行える。

 「Aterm MR01LN」は一般向けに市販はされておらず、BIGLOBEや@niftyなどプロバイダー契約のみで利用できるMVNO向けのモバイルルーターだ。NTTドコモのLTE通信「Xi」に対応しており、回線の開通は決済確定後から最短5営業日で端末が送付され、同梱のSIMカードを装着することですぐに利用できる。

NECアクセステクニカのMVNO向けモバイルルータ「Aterm MR01LN」

 本体サイズは約117×74×16mm(幅×奥行×高)、重量は約150g。大画面スマートフォン並みの幅と倍以上の厚さといった感覚で、手に持った時はかなり大きい印象を受ける。しかし重量は見た目に比べると軽く、カバンに入れて持ち歩くのであればさほど気にならないだろう。

 側面にはmicroSDカードスロットとSIMカードスロットを装備。microSDカードを装着することで、MR01LNを簡易的なファイル共有サーバーとして利用することもできる。底面には別売されるクレードルの接続端子とmicroUSBポートを搭載し、充電は付属の電源アダプタのほかmicroUSBを利用してPC経由でも可能だ。

側面にmicroSDカードスロットとSIMカードスロット 底面にmicroUSBポートとクレードル接続端子
本体上部にストラップホール 液晶ディスプレイに通信状況やバッテリー残量、時刻を表示

 本体前面には電源ボタン、無線LANを設定するためのらくらく無線スタートやWPSを利用するための「SET」ボタン、通信状況やバッテリー残量を簡易的に確認できる液晶ディスプレイを搭載。液晶ディスプレイはシンプルながら接続回線の種別、バッテリーアイコン、時間などが表示できる。ディスプレイ表示もバッテリー消費には大きな影響があるため、最低限の小型ディスプレイとなっているのはありがたい。


スマートフォンやPCからの接続設定ツールも充実

 背面には2つのSSIDと暗号化キーが記載されており、SSIDを指定して接続するだけで利用が可能。2つのSSIDのうち、プライマリSSIDと記載されているほうは同じMR01LNに接続した他の端末へのアクセスが可能だが、セカンダリSSIDは他の端末への接続が隔離されており、暗号化もWPAではなくWEPになっている。これはニンテンドーDSなど、WEPでしか接続できない端末向けの機能であり、通常はプライマリSSIDを利用するのがいいだろう。

 手動での設定が大変というユーザー向けに設定支援ツールも豊富に用意。PCの場合は同梱のCDから「らくらく無線スタートEX」をインストールすることで、ボタン操作のみで接続設定が行なえるほか、スマートフォンの場合は同梱のQRコードをバーコードリーダーで読み取るだけで設定が完了する「らくらくQRスタート」というアプリがiOSとAndroid向けに用意されている。このほか、WPSを利用してボタン操作やPINコード入力で設定することも可能だ。

背面に接続用のSSIDと暗号化キーを記載 同梱のQRコードを「らくらくQRスタート」で読み取ることで設定が可能
Android版の「らくらくQRスタート」で読み取ったところ WPS設定も対応

 スマートフォン連携はほかにも「Aterm Mobile Tool」というアプリがiOSとAndroid向けに提供されており、スマートフォンから電波状況や電池残量を確認できる。地下や奥まった施設などで電波がつながらない場所でも、いちいちカバンから本体を取り出さずスマートフォンで状況を確認できるというのは地味ながらありがたい機能だ。

スマートフォンから電波状況や電池残量が確認できる「Aterm Mobile Tool」


約6時間の連続利用が可能。給電機能や公衆無線LANにも対応

 バッテリー容量は3280mAhで、公称の通信時間はLTEで6時間、3Gで約8時間。スタンバイ状態では約250時間、スリープ状態では約30時間の動作が可能だ。

 実際にMR01LNの電源をオンにし、スマートフォンを接続して常に通信できる状態で移動したところ、LTEの公称時間と同じ6時間でバッテリーが空になった。また、一定時間通信がないと通信回線を切断し、端末からMR01LNへアクセスすると再度回線を接続するスリープモードへ自動で移行するため、カフェで一時的にPCから接続し、作業が終わったらPCを閉じてまた移動する、というスタイルであれば実利用時間はもっと伸びるだろう。

一定時間接続がないと自動でスリープ状態へ移行するエコ機能

 通信速度は、試用した時点ではサービス開始前で本サービス時と異なる可能性があったため、転送スピードの実測値は控える。速度については、NTTドコモのLTE回線を利用するため、通常のドコモLTEサービスの転送速度が参考になるだろう。

 エリア面では、NTTドコモのエリアをそのまま利用できるのが大きなメリットだ。都心はもちろんのこと、旅行で訪れた長崎県の離島である五島列島でも、山間部の道路などを除けばほぼすべての場所で通信が可能だった。LTEというと通信速度がクローズアップされがちだが、LTEのエリア外でも充実したNTTドコモの3Gエリアを利用できるというのは安心だ。

 大容量バッテリーを活かし、MR01LNをモバイルバッテリーとして利用できるUSB給電機能も搭載。本体が電源オフまたはスタンバイ状態であり、バッテリーが半分以上残っている時という条件はあるが、単純計算で1,600mAh近い容量をモバイルバッテリーとしても活用できることになる。なお、MR01LNのUSBはmicroUSB形状のため、接続には同梱されているmicroUSBとUSBの変換ケーブルが必要。また、バッテリーが半分以上を消費すると自動的に給電が止まる仕組みとなっている。

 また、本体にあらかじめ設定をしておくことで、家庭内の無線LANや公衆無線LANサービスをMR01LN経由で利用することも可能。公衆無線LANはあらかじめHOTSPOTとBBモバイルポイントの設定が用意されており、ユーザーIDとパスワードを設定しておくことで利用できる。家庭内の無線LANやその他の公衆無線LANサービスも手動設定で対応が可能。無線LANへ優先的に接続する機能も備えているため、自宅では家庭用の無線LANを利用するようにすれば、利用上限の5GBにはより達しにくくなるだろう。

同梱の変換ケーブルとmicroUSBケーブルを利用してスマートフォンを充電 無線LAN接続時は液晶に「WiFi」と表示
無線LAN設定はHOTSPOTとBBモバイルポイントがプリセット 無線LANの優先接続設定


2年契約が基本。11月末までのキャンペーン割引が大きい

 料金プランは2年契約を前提とした「@nifty do LTE 定額にねんプラン」となり、初期費用は3150円。月額料金は、他の@nifty接続サービスと併用する場合は3675円で、「@nifty do LTE」のみ利用の場合は「@nifty基本料金」262.5円がかかり、月額3937.5円となる。モバイルルータ「Aterm MR01LN」のレンタル料は、契約から24カ月は月額980.7円、25カ月以降は月額100.8円のレンタル料が課金される。

 2年契約が前提となるため、以後、2年ごとの契約更新月以外に契約解除すると9975円の手数料がかかる。端末レンタルも2年以内は解除料が必要だが、こちらは月ごとに料金が毎月980円ずつ減額される。開通月の解除は2万3520.0円だが、24カ月後は980.7円となり、25カ月目から解除料は無料となる。

 10月15日から11月30日まではキャンペーンを実施しており、期間内に「@nifty do LTE」を申し込めば、月額料金は機器到着月は無料、機器到着翌月から24カ月間は3480.7円の割引料金を適用する。

 他の@niftyの接続サービスと併用するユーザーは通常3675円から194.3円安くなり、「@nifty do LTE」サービスのみを利用するユーザーでは通常3937.5円よりも456.8円安くなる計算だ。また、機器レンタル月額料金980.7円は機器到着の翌月から6カ月間無料となる(到着月はもともと無料)。

 固定回線などで@niftyを利用していないユーザーの場合、キャンペーン料金と通常料金の差は、月額料金456.8円×24カ月プラス機器レンタル料980.7円×6カ月でトータル計1万6847.4円にもなるので、申し込むならキャンペーン期間内にした方がよさそうだ。

 なお、最近ではテザリングやモバイルルータのデータ利用量上限が話題だが、@nifty do LTEも利用量の上限が定められている。ただし、5GBを超えた場合の通信制限は2013年4月からの実施で、2013年3月までは上限なしで利用できる。2013年4月以後は、月内に5GBを超えると下り上りともに300kbpsに制限され、翌月に制限がリセットされる。

 5GBという制限はNTTドコモやauなどが定める7GBよりは少ないが、128kbpsまで制限されるNTTドコモと比べると、超過後の上限は300kbps近い速度で利用できる。どちらが良いかは用途によるだろう。

 ただし、たとえば通勤の行き帰りに自宅NASの音楽をLTEモバイルルーター経由で聞いたとして、片道100MB分の音楽を聞いても1日200MB。月に20日、1日あたり200MB利用したとしても約4GBの計算なので、一般的にかなりのヘビーユーザーでなければ制限にかかることはないと思われる。しかし、動画、とくに高画質映像をiPadなどの高解像度ディスプレイ搭載タブレットで毎日視聴するといった用途では月5〜7GB程度の制限はオーバーする可能性が高い。

 @niftyの場合は、通信量制限開始は2013年4月からとだいぶ先になるので当面は気にする必要がないが、それ以後は動画視聴をひんぱんに行う場合は注意した方が良いだろう。


NTTドコモや他社プロバイダーと比較しても安価な月額利用料

 料金面では、前述の通り、キャンペーン期間中に契約すると24カ月にわたって割引料金が適用され、6カ月モバイルルータの機器レンタル料が無料になるなど、キャンペーン適用が最もお得だが、ここでは通常料金で比較しておこう。

 NTTドコモのLTEサービス「Xi」と比較すると、2年契約で月内のデータ利用量が7GBまでの「Xiデータプラン フラットにねん」が月額5985円、上限が3GBまでの「Xiデータプラン ライト にねん」が月額4935円と、低価格プランと比較しても@nifty do LTEのほうが1000円以上安価だ。

 また、NTTドコモの携帯電話やスマートフォンに加えてデータ通信プランを追加で契約することで割り引かれる「プラスXi割キャンペーン」を「Xiデータプランフラットにねん」に適用した場合でも月額3980円のため、料金面では本家であるNTTドコモよりも優位性がある。なお、Xiの場合はプロバイダー料としてspモードの315円が必要になるため、この点でも@nifty基本料金の262.5円のほうが安価となる。

 @nifty do LTEと同じモバイルルーター「Aterm MR01LN」を一括または割賦販売で提供する「BIGLOBE LTE」の料金を見ると、24時間利用できる「スタンダードプラン」が4770円、午前2時から午後8時までの時間限定で利用できる「デイタイムプラン」が3770円で、BIGLOBE接続会員以外は追加で210円が必要となる。同タイプの料金プランで比較すると、@nifty do LTEのほうが安価になる。

 現在BIGLOBE LTEでは対応ルーターを無料で購入できる特典を用意しており、BIGLOBEは購入、@niftyはレンタルの違いがあり単純比較はできないが、月額料金で見ると@niftyが安価だ。ただし、@niftyでは「@nifty do LTE」と機器レンタルは同時利用が原則で、解約する際は同時解約となる。このため、サービス解約後にSIMを返却してもモバイルルーターは手元に置いておきたい場合は、BIGLOBEを選択する方が良いかもしれない。ただし、BIGLOBEは端末はレンタルではなく購入のため、2年未満で解約する場合には利用月数に応じてアシストパック加算分契約解除料が2万3512円〜980円かかる。

 なお、通信量制限については、BIGLOBE LTEはデータ利用量が7GBを超えた場合に制限する場合があるとしているが、@niftyのように2013年4月からといった時期は明言していないので、利用状況によりあまりに転送量の多いユーザーの場合は、@niftyのように来年を待たずに制限される可能性があると考えておいた方がよさそうだ。

  プラン名 転送量
上限
月額
料金
端末
料金
プロバ
イダー
基本料
月額
@nifty @nifty do LTE
定額にねんプラン
24カ月以内
5GB
(*1)
3,675円 980.7円
(*2)
262.5円 4,918円
NTTドコモ Xiデータプラン
フラットにねん
7GB 5,985円 別途 315円 6,300円
Xiデータプラン
ライトにねん
3GB 4,935円 315円 5,250円
BIGLOBE BIGLOBE LTE
スタンダード
プラン
7GB 4,770円 980円
(*3)
210円 5,960円
BIGLOBE LTE
デイタイム
プラン
3,770円 4,960円
(*1) 2013年4月より(2013年3月までは制限なし)
(*2) レンタル料、25カ月以降は100.8円
(*3) 購入費、2012年10月31日までキャンペーンで無料
※月額料金は1円未満は切り捨てで表示
※上記のほか、各社ともユニバーサルサービス料3.15円/月がかかる

 なお、ここで挙げたの数字はあくまで2012年10月時点での比較となる。通信サービスの料金はキャンペーン実施の有無などでかなり変わるほか、月額料金も改訂されることがあるため、実際に加入する際は、その都度サービス事業者のサイトで料金やプランを確認してほしい。


安価な料金プランと高性能なモバイルルーターが魅力

 安価な料金設定に加え、大容量バッテリーかつ多機能なモバイルルーターをセットにした@nifty do LTE。ほぼ同等のサービスを提供するBIGLOBEと比較しても料金は安価に設定されており、非常にコストパフォーマンスの高いサービスと言えるだろう。

 上限の5GBはLTEの標準となりつつある7GBと比べて少なく感じるかもしれないが、無線LANの優先設定で自宅やオフィスの無線LANを登録しておくことで「自宅にいるのにうっかりLTEで接続してしまった」という事態を防ぐことができ、外出時や移動時に5GBを集中して使うことができる。毎日すべてのインターネット接続をMR01LNで行なう、というヘビーユーザーでもない限り5GBは十分な範囲だ。

 iPhone 5もau、ソフトバンクともに対応するなど、スマートフォンのテザリング環境は大幅に充実しつつあるが、スマートフォンでのテザリングはバッテリーを非常に消費してしまい、大事なときにスマートフォンが使えなくなる、という可能性もある。外出時のネット利用頻度が高いユーザーにとって、高速かつ大容量の@nifty do LTEは注目のサービスと言えるだろう。



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(甲斐 祐樹)

2012/10/16 00:00