特別企画

もう自宅プリンターは不要? 
住民票の写しも出力できるコンビニ複合機の実力(後編)

〜シャープ担当者に聞く、ここまでできる最新型コンビニ複合機

住民票や戸籍謄本などもコンビニで出力可能に

お話を伺ったシャープビジネスソリューション株式会社 武田隆一氏。「お客様目線でコンビニ・コンテンツプリントサービス向けのさまざまなコンテンツを企画している」という

――新しい複合機では住民票の写しなども出力できるようですが、どのような仕組みなのでしょうか。

 現在ローソン様とサークルKサンクス様では、行政サービスとして、住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍謄本/抄本、税関連の証明書などを出力できるようになっています。市町村によっては住民票の写しと印鑑登録証明書のみ対応しているところもあり、料金体系も各市区町村によってさまざまです。

 コンビニ出力に対応している市区町村にお住まいの方は、役所に行って、住民基本台帳カード(住基カード)を作っていただき、その際に「コンビニ交付申請」をしていただくと、平日土日の朝6時半から夜11時まで(ただし、自治体によって異なる)、サーバーがメンテナンスしている日以外はコンビニで行政サービスを受けられます。

 ちなみに「コンビニエンスストア新聞」という業界紙の7月号の特集では、2013年夏の注目カテゴリーとして行政サービスが取り上げられています。「コンビニの社会インフラ化がまた一歩」というキャッチコピーの記事で、全国に約5万店舗あるコンビニ自体がすでに国民の生活インフラになっていますが、そのうち6割にあたる約3万店舗が行政サービスに対応しているという状況です。

――コンビニ交付に対応している市区町村は現在どれくらいありますか。

 2013年8月5日現在で71団体が対応しています。そこにお住まいの方であれば、それぞれの市区町村が決定したコンビニで住民票の写しなどを出力できます。運営母体である財団法人 地方自治情報センター(LASDEC)のWebサイト(https://www.lasdec.or.jp/cms/9,0,93.html)で、対応している市区町村などの情報をご覧いただけます。たとえば東京都では、渋谷区、中野区、荒川区、足立区、葛飾区の5つの区と、三鷹市、町田市、小金井市の3つの市が対応しています。

 自治体としても、住民票などの窓口発行業務の軽減につながりますし、すでに住基カードを持っている方は、コンビニ交付の申請をするだけで利用可能です。

 コンビニ交付の申請が受理されれば、平日も土日も開いているコンビニで住民票の写しなどを出力できます。また、転居などで住民票などが必要になった時でも、遠くの役所まで時間をかけて行ったり、家族に頼んで取ってきてもらう必要がなくなります。運転免許証の取得の際にもこういった確認書類は必要になりますから、わざわざ会社を半日休んでまで役所に行く手間がなくなるのも便利ですよね。

――都市部から普及しているというわけではないんですね。

 そうですね。導入は自治体ごとに検討されるため、大きな都市からといった順番はありませんが、徐々に全国に広がっています。

 行政サービスは2013年4月にローソン様、5月からはサークルKサンクス様が対応され、ファミリーマート様も今年中にはサービスを開始される予定です。そういった背景もあって、自治体も前向きに動かれているのではないかと思います。コンビニで出力した場合は発行手数料を安価にする市区町村などもあり、普及拡大に努められていますね。

行政サービスを利用するには、住基カードが必要
住基カードを所定の位置にセットする
置き忘れを防ぐため、情報を読み取った後は取り除かない限り次の操作に進めない仕組み
必要な証明書を選択する。市区町村により、対応するサービスが異なる
暗証番号を入力。暗証番号はあらかじめ市区町村の窓口で登録する必要がある
住民票の場合、本人のみ、世帯全部などを選択
続柄や筆頭者の記載の有無を選択
必要部数を入力する。一度に出力できる部数は最大10部まで
確認画面で交付申請内容を確認する

サービス企画はコンビニ特有の事情を考慮する必要も

――もう1つの「コンテンツプリントサービス」というのはどういうサービスなのですか。

 7月16日からローソン様でサービスを開始しました。ファーストコンテンツとしてアシストシステム研究所様の「お誕生日新聞」をリリースしています。誕生年月日を入力すると、その日付の新聞をA3サイズの用紙1枚で出力するというものです。料金は片面プリントで400円、両面プリントで600円です。

 片面の場合は当時の新聞の1面記事を、両面の場合は表面に1面記事、裏面にテレビ番組欄をプリントします。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞とスポーツニッポン(スポニチ)の4紙に対応していて、いずれかを選んで出力していただけます。ただし、両面プリントは毎日新聞と読売新聞のみの対応になります。

 今後もコンテンツをどんどん増やしていく予定です。

――どれくらい過去の新聞から出力できるのでしょうか。

 新聞社により提供可能範囲は異なりますが、100年以上前の新聞を出力できますので、ほとんどの方がご利用いただけることになりますね。「お誕生日新聞」は、もともとギフトとして利用される方がけっこう多いとのことで、アシストシステム研究所様のオンラインショップでは、還暦になられた方に、生まれてから60年分の誕生日の新聞を綴じてまとめてプレゼントする、というサービスも提供されています。

 ただ、「明日イベントや記念日があるからすぐにほしい」といった場合には、それらの郵送サービスでは時間的に間に合いません。それに対して、コンビニであれば思いついた時にすばやくプリントできますので、急にギフトとして必要になるような場面でも対応できる点が一番大きなメリットだと思います。

――こういったサービスはどういった流れで企画立案されるのですか。

 コンビニの行政サービスについては、国が後押ししていることと、当社複合機はコンビニ全体での台数シェア約6割と多くのコンビニ様に導入されていることから、当社も新機種の開発・移行を機にICカードリーダーを装備して対応を進めてきました。

 コンテンツプリントサービスのコンテンツについては、コンビニ様と協議しながら内容を吟味してご提案しています。コンビニはお客様が毎日買い物に立ち寄られるところですので、若い方やビジネスマンだけでなく、女性や年配の方には何が受けるか、また、お客様目線でどんなサービスがお客様に重宝されrかを考えて提案していますね。

――将来的に他社のクラウドサービスと連携するようなことは考えていらっしゃいますか?

 「3sweb Sharpdesk Online」という私どものクラウドサービスでは、クラウド上に置いたファイルをコンビニ複合機でプリントできるよう連携しています。今後はさらに他社のクラウドストレージサービスとの提携も検討していきます。

――コンビニの取り扱い商品は多種多様で、売れ筋商品も常に変化していると思いますが、複合機の利用のされ方にも変化はあるのでしょうか。

 複合機におけるコピーサービスのウェイトはだんだん減ってきています。今はメールなどを使って電子データでやりとりしていることが多いので、どちらかというとコピー機ではなく、プリンターとしての役割の方が大きくなってきています。昔は学生さんならノートをコピーするのによく使われていたと思うんですが、今はみんなスキャンしてデータ化しているような状況です。そういう意味で、PDFプリントの出力数が伸びてきていますね。

――本日はありがとうございました。

(日沼 諭史)