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「百度」CEOのLi氏が講演、同社をめぐる誤解に反論


百度のRobin Li CEO
 11日に開催された「TOKYO起業家サミット 大挑戦者祭2007」で、中国最大手の検索エンジン「百度(BAIDU:発音はバイドゥ)」を手がける百度のRobin Li CEOが講演し、日本進出の理由などを語った。

 中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)が2006年9月に実施した調査によれば、中国人が最も利用している検索サービスは、百度が62.1%と半数を超え、2位Googleの25.3%を大きく上回る。Li氏によれば、百度では約30億の中国語のWebページをインデックス化しており、Webサイトのトラフィック量では東半球で1位、世界では4位だという。

 また、検索分野別のシェア率では、Webページ検索が69.0%、ニュース検索が60.8%、イメージ検索が70.6%、音楽検索が84.2%と圧倒的なシェアを獲得。特に、「mp3捜索」として提供される音楽検索は、MP3などの音楽ファイルを検索し、検索結果のファイルをダウンロードしたり、Web上で再生することが可能で、最も人気のあるコンテンツの1つとなっている。

 百度は2000年に設立、当初は大手ポータルサイトに検索技術を提供していた。しかし、「大手の顧客がいたが、収益率が低かった」(Li氏)ことから、2001年9月に独自の検索サービス「百度」を開始。その結果、2006年末では10万社を超える広告主を獲得、売上高は2000年の16万ドルから1億700万ドルに急増した。このうち、営業利益は3,800万ドルに上り、今後も収益率の向上が見込めるという。

 「これまで中国のインターネット業界では、ポータルサイトや携帯電話向けの音楽ダウンロード配信、オンラインゲームなどさまざまなサービスが流行した。多くの企業はこれらを後追いしたが、ほとんどが失敗に終わった。我々は、『流行は長くは続かない』と判断し、経営資源を検索エンジンの開発だけに投入したことが奏功した。これにより、多くのトラフィックが集まり、広告収入が増えた。さらに、広告収入を技術開発に投入することでトラフィックが集まり、高成長を実現できた。」


百度の概要 百度のシェア

中国政府の支援を否定

Li氏は、百度に関する噂をすべて否定した
 中国で検索エンジン最大手となった百度だが、同社に対する誤解が少なくないという。例えば、「中国政府の存在が、百度の成功を後押ししている」というものだ。これに対してLi氏は、次のように反論した。

「中国では政府が禁止するWebページをフィルタリングしなければならない。GoogleやYahoo!などの海外の企業は、この方針に従わなくてもよかったのだが、百度の場合は従わなければならなかった。つまり、政府の検閲は、百度にとっては不利な条件だった。また、中国政府が百度を支援しているとの噂もあったが、百度では設立以来、政府からの支援はいっさい受けていない。資金のほとんどは米国投資家によって投資されたものだ。」

 さらに、人気を集めるmp3捜索では、楽曲の著作権を無視していると批判されることがある。これについては、「我々はあくまで検索エンジンを提供しているだけ。楽曲を無断でホスティングしているわけではなく、これらのサイトの場所を教えているだけ」と主張する。

 このほか、百度は中国で最初に検索エンジン分野に参入したため、多くのユーザーを獲得できたとも言われる。しかし、GoogleやYahoo!が参入したのは2000年で、百度が検索サービスを開始したのは2001年9月と指摘。中国では後発ながらも競合を追い抜いたことをアピールし、日本市場でもヤフーやグーグルなどに対して勝負を挑む意気込みを示した。

 同社は2007年中に日本市場に進出することを発表している。日本進出の理由としてLi氏は、「距離が近い」「漢字を利用している」「世界で2番目の経済大国」という点を挙げたほか、「検索エンジンの選択肢が限られている」と語り、新たな選択肢として百度を利用してほしいと訴えた。日本進出当初は、Web検索のみを提供する予定で、日本企業と提携して、徐々に日本人のニーズに応えた検索サービスを開発していく考えを示した。


関連情報

URL
  TOKYO起業家サミット 大挑戦者祭2007
  http://www.dreamgate.gr.jp/summit/

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( 増田 覚 )
2007/03/12 18:35

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