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2006年中国インターネット事情・第1回
日本に進出する検索サイト「百度」とは


 2006年も残すところあと1週間となった。1年の終わりに、2006年の中国インターネットを概観する年末特別企画を3回にわたってお送りすることになった。第1回目にあたる今回は、日本進出が発表された、中国最大の検索サイト「百度」をご紹介しよう。


中国最大の検索サイト「百度」

百度
http://www.baidu.com/
中国最大の検索ポータル「百度」トップページは、Googleのトップページのようにすっきりしたデザインだ
 2007年に、中国のGoogle以上に人気ある検索サイト「百度(BAIDU:発音はバイドゥ)< http://www.baidu.com/ >」が日本に進出する。これまでIT関連では英語圏、つまりアメリカで始まったサービスが日本進出するのが一般的だった。義務教育によって誰でもある程度読めるはずの英語サービスは、日本進出前に目にする機会も多く理解もしやすかったが、中国語は読めないのが普通だ。日本語と同じダブルバイト圏からやってくる検索サービスということで少し期待はしているが、サイトを見てもよくわからないという読者も多いのではないだろうか。

 百度は米国ナスダックに上場しており、2006年第3四半期の決算においては、売上高は前年同期比169.1%増の2億3,930元(約35億9,000万円。1元=15円で計算)、純利益は同902.5%増の8,530万元(約12億8,000万円)。百度の売上高は、Google中国とYahoo!中国の2社を合計した売上高を上回る規模となっており、中国市場では利用者にもっとも支持されている検索サービスだ。

 以上、財務データを簡単にご紹介したが、それだけでは百度がどんなサイトかはわからない。そこで、中国で百度の提供するサービスを以下にご紹介しよう。


百度のメインとなる検索サービス

子供向けに特化した検索サービス「少儿搜索」
 百度のトップページにアクセスすると、Google似のデザインの「WEB捜索< http://www.baidu.com/ >」が表示される。Web検索が百度のメインサービスであり、検索結果ではGoogleでいうキャッシュ「百度快照」も用意されている。中国版Googleと言われるゆえんだ。

 基本検索サービスでは、子供向けに特化した「少儿搜索< http://shaoer.baidu.com/ >」や、携帯電話向けの「WAP搜索< http://wap.baidu.com/ >」や、Windows Mobileがそこそこ人気の中国ならではの、画面サイズの小さな「PDA捜索< http://pda.baidu.com/ >」もある。

 なお、百度で日本語の漢字で検索ワードを入力すると、簡体字に自動的に変換されるので、日本語環境でも検索サービスは問題なく利用可能だ。

 百度の広告システムは、検索結果の最上位に検索ワードに対応した広告が表示される、「推広」と呼ばれる方法が採用されている。たとえば、「互換網(インターネットの意味)」と入力した時に表示される広告をA社とB社の2社が入札し、A社が1クリック3元、B社が同5元で入札した場合、検索結果は「B社の広告」「A社の広告」「検索結果」といった具合になる。

 ちなみに、広告ではないのだが、こうしたキーワード広告に似たサービスでは、好きな人に恋文を送る「伝情< http://love.baidu.com/ >」という名のサービスがある。メッセージを送りたい相手の名前とメッセージを書いた後、その人の名前を検索キーワードにおいて検索すると、画面右端に恋文の発信者の名前と恋文が表示される仕組みだ。

 検索サービスに関連するソフトウェアでは、百度ツールバーこと「超級搜霸< http://bar.baidu.com/ >」や、デスクトップサーチ「硬盤搜索< http://disk.baidu.com/ >」を提供している。

 「Webに興味を持ち始めたものの、どのサイトから見ればいいかわからない」という中国インターネット初心者のために、各ジャンルの代表的なサイトを紹介している「hao123< http://www.hao123.com/ >」や「网站< http://site.baidu.com/ >」も用意されている。また、どんな検索ワードが人気なのかをジャンル別に紹介した「風雲榜< http://top.baidu.com/ >」、ある人気の検索ワードの時間軸に沿った検索数の傾向を紹介した「指数< http://index.baidu.com/ >」などのデータもコンテンツとして公開している。


多種のファイル・ジャンル限定検索サービス

MP3ファイルの検索に特化したサービス「mp3捜索」
 あるファイルタイプやジャンルに絞った検索サービスを多数用意しているのも百度の特徴だ。特定のファイルタイプに限定した検索サービスでは、mp3をはじめとした音楽ファイルに限定し検索し、検索結果のファイルをダウンロードしたり、Web上でその音楽ファイルを再生する「mp3捜索< http://mp3.baidu.com/ >」がその代表。「音楽掌門人< http://zhangmen.baidu.com/ >」ではチャイニーズポップの最近の曲を網羅し、その曲についての歌詞の表示や、感想欄の読み書きができるほか、前述のmp3捜索と連動し、その曲のファイルを検索可能だ。

 携帯電話の着信メロディや待ち受け画面のコンテンツファイルの検索だけに絞った「手机娯楽< http://mobile.baidu.com/ >」というサービスもある。他にも、マイクロソフトのWordやExcel、PDFなど文書ファイルに検索対象を絞った「文档搜索< http://file.baidu.com/ >」が提供されている。

 特定のジャンルに限定した検索サービスでは、ブログ検索の「博客搜索< http://blogsearch.baidu.com/ >」をはじめとして、大学のサイトのみを検索対象とした「大学捜索< http://daxue.baidu.com/ >」、中国の法律の文言を検索対象にした「法律捜索< http://law.baidu.com/ >」、教育関連のサイト内を検索する「教育网站搜索< http://edu.baidu.com/ >」、中国政府関連サイト内を検索対象とする「政府网站搜索< http://gov.baidu.com/ >」がある。

 そのほか、指定した地域の情報を検索する「地区搜索< http://diqu.baidu.com/ >」、中国電信のイエローページと連動した「黄頁< http://yp.baidu.com/ >」、郵便番号の検索・逆検索を行なう「郵編< http://youbian.baidu.com/ >」、検索キーワードから過去の中国文学の小説や詩を表示する「国学< http://guoxue.baidu.com/ >」など。都市名を入力することで天気予報や、鉄道時刻表、フライトスケジュールを表示できるほか、株価コードを入力することで株価情報を表示したり、通貨レートや各種辞書やカレンダーも表示できる「常用搜索< http://life.baidu.com/ >」がある。


検索以外のサービス

中国全土の地図と主要都市の都市地図を表示する「地図」サービス
 百度は、検索以外のサービスも多数提供している。中国の各ニュースメディアと連携して各誌最新ニュースを表示する「資訊< http://news.baidu.com/ >」、Wikiサービスの「百科< http://baike.baidu.com/ >」、Googleマップに似た中国全土の地図と主要都市の都市地図を表示する「地図< http://map.baidu.com/ >」、ある人の質問に対して別の誰かが回答する「知道< http://zhidao.baidu.com/ >」、掲示板サービスの「貼バ(※バは口編に巴)< http://post.baidu.com/ >」、携帯電話向け掲示板サービスの「WAP貼バ(※バは口編に巴)< http://wapp.baidu.com/ >」、映画や音楽のプロモーションビデオやアニメなど百度が提供するコンテンツをダウンロードするサービス「影視< http://v.baidu.com/ >」、セキュリティソフトやアンチウィルスソフトの紹介やオンライン販売、それにウィルス情報を紹介する「殺毒< http://shadu.baidu.com/ >」、オンライン英中中英辞書サービス「詞典< http://dict.baidu.com/ >」、ブログサービス「空間< http://hi.baidu.com/ >」がある。

 百度が2007年に日本でサービスを開始するという国内報道を見ると、検索サービスに話題が集中しているが、それ以外のサービスについても興味深いものが数多く提供されている。現在のところ、日本市場向けにどこまでサービスが移植されるかは不明だが、日本にローカライズされた百度のサービスの数々を見てみたいものだ。


関連情報

URL
  百度(中国語)
  http://www.baidu.com/
  山谷剛史のマンスリー・チャイナネット事件簿
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/m_china/
  山谷剛史の海外レポート
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/others/travel/060126/index.htm

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( 山谷剛史 )
2006/12/25 14:59

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