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台湾新幹線のWiMAX実験の概要を模型で紹介
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「つくばフォーラム2008」のNTTアクセスサービスシステム研究所の展示ゾーンでは、FTTHの基盤技術や保守・運用・管理技術などを3つのコーナーに分けて紹介している。コーナー1では、折り曲げに強い「曲げフリー光コード」や「クマゼミ対策ドロップ光ファイバ」などを展示。コーナー2では、電柱の劣化診断技術やオペレーションシステムの業務関連の促進技術などを展示する。
コーナー3では、NGNの要素技術を中心に、分岐装置や移動体通信関連の技術を紹介している。「台湾新幹線におけるモバイルWiMAXブロードバンド通信サービスソリューション実験」の内容も紹介。同実験は、台湾工業技術研究院とNTTグループが共同で行っており、NTTグループでは、新幹線と地上間のエリア設計、および車両内での無線LANアクセスの実験などを行っている。
説明員によれば、時速300kmで走行する新幹線と地上の基地局間はWiMAXで数十Mbps程度の通信を行い、車両内ではWi-Fiによる無線LANアクセスを提供するという。ブースでは実験の様子もVTRで紹介。「現在は、車内における電波の実験をしており、今後はWiMAXを使うためのシステム評価や品質をクリアする必要がある」という。実験は来年以降も引き続き行われ、実用化の時期については未定とした。
● 移動体通信実験車両のデモ走行を体験
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衛星マルチメディアカー
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「つくばフォーラム2008」の屋外展示場では、NTTアクセスサービスシステム研究所の展示に関連するデモを行っている。その1つ「衛星マルチメディアカー」では、移動体衛星通信において通信品質を劣化させる主要因となる衛星波遮断への対策技術を体験できる。
衛星マルチメディアカーは、移動体環境での動作検証を目的とした実験用車両。マイクロバスに超薄型衛星自動追尾アンテナを設置しており、車内でインターネットが利用できる。デモではバスに乗り、展示会場周辺を10分程度走行。車内のPCでストリーミング動画を視聴する。走行中に衛星波が遮断される道を通る時でも、衛星波遮断対策技術により動画が途切れることなく視聴できた。
通常は衛星通信を利用しているが、衛星波が届かないエリアに入ると、別のエリアで受信した衛星波を中継し、無線LANで車両に送信する。走行ルートの衛星波遮断区間には、「ギャップフィラー」と呼ばれる2基の中継装置、およびギャップフィラーに送る衛星波を受信するためのパラボラアンテナが設置されていた。さらに、衛星通信と無線LANを適時使い分け、安定した通信環境を確保するための出力システム「レイヤ3ダイバーシティ」を利用する。
ギャップフィラーとレイヤ3ダイバーシティを組み合わせた衛星波遮断対策技術は、実用化はされておらず、「現在は、鉄道会社などに売り込もうとしているところ。台湾新幹線の実験にも参加して検証したいと思い、調整している」(説明員)という。
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車内の様子。手前が動画を視聴する端末。運転席上部のモニターで超薄型衛星自動追尾アンテナの動きを確認できる
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動画視聴用のPC。ギャップフィラーあり/ギャップフィラーなしの違いを比較できる
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衛星マルチメディアカーのデモ概要
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関連情報
■URL
つくばフォーラム2008
http://www.tsukuba-forum.jp/index_j.html
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( 野津 誠 )
2008/10/16 12:38
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