趣味のインターネット地図ウォッチ
元禄時代の古地図を現代地図と見比べられるアプリ「大江戸ぶらり」
(2015/5/28 06:00)
株式会社ATR Creativeは、iOS/Android向け古地図アプリ「大江戸ぶらり」を提供開始した。価格は600円。
1600年代の東京の古地図を見られるアプリで、公益財団法人東洋文庫が所蔵する「江戸大絵図」(元禄年間、1688~1703年ごろ)を収録している。デジタルで提供するのは初めてのことだという。同地図は、東洋文庫が所蔵する古地図の中では大きさが267.7×320.0cm(横×縦)と最大で、明暦の大火をきっかけに幕府によって制作が命じられた。保存状態がよく大判であることから、デジタルデータも細かい文字まで読める。
スマートフォン内蔵のGPSにより、古地図上で現在地を確認することが可能。標準マップと見比べることもできる。また、JRの駅の位置や有名スポットの位置を地図上に表示させることも可能で、電車やカメラのアイコンをタップすると詳細情報や写真などがポップアップ表示される。
江戸大絵図は4枚1組で、すべてを合わせると江戸の町全体が一望できるが、今回公開されたのは江戸城から北に向かって駒込方面までを描いたものとなる。残りの3枚はまだデジタル化されていないが、今回のアプリの売上の10%は残り3枚のデジタル化に充てられ、今後、アプリに追加される予定だ。
なお、同アプリは、東洋文庫ミュージアムで8月9日まで開催している「大地図展」に関連して制作されたもので、このイベントでは江戸大絵図の複製が実寸大で館内に展示される。館内に設置されたタッチパネル端末では、江戸大絵図とOpenStreetMap(OSM)を使った現代地図とを見比べることが可能だ。