IPA、ウイルスの届出や相談窓口の利用を呼び掛け


 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は3日、2012年7月のコンピューターウイルス・不正アクセスの届出状況を公表した。IPAでは、ウイルスや不正アクセスの届出や相談窓口の利用を呼びかけている。

 IPAは、経済産業省のウイルス対策基準や不正アクセス対策基準に基づく届出機関として、1990年からウイルスについて、1996年から不正アクセスの届出を受け付けている。届出は統計として公表されるほか、早期の被害拡大防止や再発防止に活かされている。

 IPAでは最近の事例として、2012年4月に寄せられたAndroidの不審なアプリに関する相談をきっかけとして、関係機関への連絡により該当アプリのダウンロードが停止されたケースを紹介。1件の相談が多数の被害防止につながるとして、被害の届出や相談窓口の利用を呼びかけている。

 2012年7月のウイルス届出状況は、検出数が2万5487個(前月比15.9%増)、届出件数が877件(同8.5%減)。7月の不正アクセス届出件数は19件で、うち被害があったものは18件。被害事例としては、サーバー管理ツールの脆弱性を悪用されてウェブを改ざんされた事例や、ウェブサーバー内の公開を想定していないファイルが「ディレクトリトラバーサル攻撃」によって参照された事例が紹介されている。

 7月にIPAに寄せられた相談は921件。内訳は、ワンクリック不正請求に関する相談が216件、偽セキュリティソフトに関する相談が23件、Winnyに関する相談が4件、情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメールに関する相談が3件など。


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(三柳 英樹)

2012/8/6 15:54