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欧州5カ国で電子通信法新法施行。競争自由化を促進


 欧州連合(EU)の行政組織欧州委員会は、同連合に加盟しているフィンランド、スウェーデン、デンマーク、英国およびアイルランドの5カ国が25日までに、通信市場の競争促進を図るフレームワークを国内法に適用する手続きを取ったことを発表した。このフレームワークは国内法への移行手続きを済ませていない国が多いが、この5カ国は予定していた時限内での適用となった。現在この他の加盟国ではイタリアが適用の手続き中であるとしている。なお、加盟国のうち適用が遅れた国については、欧州委員会が罰則を科すことも検討しており、数週間内にも何らかの措置を執る予定だという。

 欧州の通信市場は1998年に一大改革がありそれまでの独占から原則自由化という大転換がなされた。それまでの国営企業は民営化を余儀なくされ、数々の民間通信会社が参入した。開放されたのは、主に遠距離通話や国際通話であったが、それだけでも大改革で各国の旧国営通信会社がかなり守勢に立たされることになった。通信市場の競争は、市場規模の成長にかなり寄与し、一定の効果が見られた。しかし、その後、インターネットが普及し市内通話を独占していることが有利となってきたことから、1998年の自由化による効果も限界が見えていた。

 こうした背景から、2002年に欧州議会がより競争自由化を促進する指令を決めたもので、この指令は、新たな通信市場規制のフレームワークの複数の項目を含む。具体的には、ブロードバンドの普及や電子政府化のための環境整備の様相が強く、これらの項目は各国の国内法に2003年7月24日までに適用し、25日までに施行することが義務付けられていた。今回施行した5カ国ではフィンランドが最も早く5月に適用しているが、残りの4カ国は6月に適用しており、期限間際に間に合わせたことになる。

 EUでは、電子化をEUの今後の発展に必須と見ており、加盟国には一層の競争力向上を求めるものと見られる。


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URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=IP/03/1121|0|RAPID&lg=EN


( Gana Hiyoshi )
2003/08/01 13:02

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