KDDIは6日、ADSLやFTTHなどのブロードバンド回線に対応したネットワークゲームサービス「マルチマッチングBB(MMBB)」を9月1日より提供すると発表した。プレイステーション2などの対応ゲームソフトから、複数ユーザーが参加してネットワーク対戦が楽しめる。まずはカプコンが、対応ゲームを9月より順次発売する。
MMBBは、KDDIが2001年5月より提供している「マルチマッチング」を拡充するもの。従来は電話回線接続で、料金が接続時間による従量制だったのに対して、MMBBでは月額900円(DIONのブロードバンドユーザーは800円)の定額制で提供される。対応ゲームは、カプコンがプレイステーション2用のレースゲーム「アウトモデリスタU.S.-tuned」(4,800円)を9月11日に発売するのをはじめ、「バイオハザードアウトブレイク」「モンスターハンター」(いずれも価格未定)など計4タイトルを年明けにかけて発売する。このほか、タイトーも対応ソフトを予定しているという。
MMBBへの入会手続きは、対応ゲーム上からオンラインで行なえる。外出時などブロードバンド回線以外の環境からは従来の電話回線接続が利用できるが、その場合はチャット用のロビーサーバー接続時3分10円、対戦用のゲームサーバー接続時1分10~13円(ゲームによって異なる)の別料金が発生する。
カプコンでは、現在のマルチマッチングでも対応ゲームを提供しているが、同社の許田周一CS事業統括常務執行役員によれば、従量制の料金でユーザーにとって大きな壁があったほか、グラフィックの凝った同社のゲームではナローバンドのネットワーク対応が難しい面もあったという。
一方、マルチマッチングは、KDDIのデータ通信専用サービス「データ・オン・デマンド」のネットワークを利用することで、レイテンシーを70ms(4フレーム)まで抑え、アクションゲームにも対応できるのがセールスポイントだった。それが今回、ADSLなどのベストエフォート回線から、しかもさまざまなISP経由で接続されるようになるため、ユーザーによってレイテンシーが異なる環境になるなどネットワーク面での問題が予想される。これに対してKDDIの宮本潤之輔ソリューション事業推進本部プロダクト統括部次長は、レイテンシーの測定ソフトを導入することで、ユーザーのレイテンシーによって接続するサーバーを自動的に振り分ける機能などが考えられるとしている。
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MMBBのシステム構成イメージ。カプコンの3タイトルについては、MMBBの月額基本料金内で対戦サーバーに接続可能だが、別料金が発生する有料コンテンツも提供される
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(向かって右から)KDDIの近藤一朗ソリューション事業推進本部長、宮本潤之輔ソリューション事業推進本部プロダクト統括部次長、カプコンの許田周一CS事業統括常務執行役員、須藤克洋第一開発部プロデューサー
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/0806/index.html
関連記事:KDD、対戦ゲーム向けの高速ネットワーク
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2000/0125/kdd.htm
( 永沢 茂 )
2003/08/06 18:17
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