ベンチャー企業の米Airgo Networksは18日、Wi-Fiの通信速度と通信距離を大幅に向上させる新技術に基づくチップセット「AGN100」のサンプル出荷を開始したと発表した。
Airgoによると、AGN100は802.11a/b/gモードをサポートしながら通信速度を最大で108Mbpsまで向上させることに成功。通信可能距離も、他社の無線LANチップセットに比べて2倍から最大で6倍の距離を達成したという。これにより、企業がオフィスに設置するアクセスポイントの数を大幅に減らすことができるとともに、ホームネットワークにおいても高品質の動画や音楽、双方向ゲームなどさまざまな用途に利用できるのではないかと考えられている。
この性能を実現するためにAirgoでは、「Multiple-Input-Multiple-Output(MIMO)技術」を一般消費者向け製品として世界で初めてチップセットに採用したとしている。MIMO技術は、近接した複数のアンテナとCPUによる計算によって通信効率を向上させるスマートアンテナ技術で、Airgoの創業者たちが1995年にスタンフォード大学で発明した。Airgoはこの技術をベースに2000年に設立され、Accel Partners、Nokia Venture Partners、OVP Venture Funds、Sevin Rosen Fundsから総額5,200万ドルの出資を受けている。
無線技術に関するコンサルティングを行なっている米Fairpoint GroupのCraig J.Mathias氏は、「MIMOは現在そして未来の無線LANシステムの通信可能距離とスループットを著しく向上させる唯一の実行可能な道筋だろう」とコメントし、この技術に関する期待感を表明した。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.airgonetworks.com/news_pr.html
関連記事:米Airgo Networks、既存の11a/g規格で100Mbps超を実現する無線LANチップ
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0717/airgo.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/08/19 13:20
- ページの先頭へ-
|