防犯システムなどを手がけるセキュリティ会社のクマヒラは20日、無線LAN向けのシールドルーム設備「e-wave AEGIS」を同日より発売すると発表した。電磁波をシールドする部材をオフィスの床や壁、天井などに使用することで、無線LANの電波が外部に漏洩するのを防ぐ。
同社ではこれまでも、電磁波を60~100dB低減できる高性能なシールド設備を販売していたが、コストや特殊なドアが必要になるなどの点から、コンピュータルームなどの用途に限定されていた。これに対してe-wave AEGISは、現在普及している無線LANに対象を絞り、コストダウンとともに一般的なオフィスにもなじむ内装仕上げを可能にしたという。具体的には、壁や窓ガラスにシールド効果のあるクロスやフィルムを貼り付けるかたちとなり、大規模な回収工事をすることなく既存オフィスでも導入できるとしている。電磁波の低減効果はビルの状態によって異なるが、20~30dB程度。費用も、低減レベルや規模により異なる。
クマヒラでは、無線LANのセキュリティを確保する手段として、暗号化だけでなく、電波自体が漏洩しないようにする方法も必要になると指摘。今後、オフィスにおけるシールド設備へのニーズが増加するものと見ている。
なお、e-wave AEGISには電波を吸収する素材も使われているため、電波の反射による通信品質の低下を防止する効果も期待できる。限られたチャンネルを有効活用できる無線LANエリアのゾーン分けも可能になるとしており、セキュリティ面だけでなく、快適な無線LAN環境を構築するための製品としてもアピールしていく考えだ。
|
e-wave AEGISのイメージ図
|
■URL
製品情報
http://www.kumahira.co.jp/products/c16_04.html
( 永沢 茂 )
2003/08/20 19:22
- ページの先頭へ-
|