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米ベンチャーが“コロンブスの卵”的発想のコンテンツ配信方法発表


 ファイルサイズが比較的大きいオーディオ、ビデオコンテンツを必要な時までにゆっくり配信するという、“コロンブスの卵”的発想の技術を米Trusted Media Networksが2日、会社設立と同時に発表した。

 Trusted Media Networksの創業者はAlan Lippman氏で、同氏は米RealNetworksに在籍中ストリーミングを世界で始めて商用化した「RealAudio 1.0」の開発メンバーの1人であり、その後は「RealVideo 8.0」に至るまでチーフエンジニアを務めた経歴を持つ。Lippman氏はTrusted Media NetworksでCEOを務める。

 Trusted Media Networksが目指す環境は、ネットワークの接続状況、スループットの速さやネットワークの混雑に影響されずに、クリックひとつでテレビ画質の動画を視聴できるようにすることにある。

 そのためにTrusted Media Networksは「TrustCast」技術を開発した。この技術では利用者が欲しいコンテンツをあらかじめ登録しておくと、バックグラウンドで長い時間をかけてマルチメディアファイルをダウンロードしておく。この作業はすべてバックグラウンドで行なわれるため、ユーザーの日常的な作業に影響を与えることがない。ファイルが完全にローカルファイルとして保存されると、Trusted Media Networksは利用者に配達完了のメールを送信する。利用者はそのメールに記されているリンクをクリックすることで手元のメディアプレーヤなどでそのコンテンツを視聴できる。

 TrustCastでは通常コンテンツがいつ届くかわからないが、配信する側がいつまでにコンテンツを確実に届ける必要があるかをTrusted Media Networksに対して指定することもできる。これにより、例えば企業の新製品発表の案内など、特定の期日以降でなければ公開できないようなコンテンツでも長い時間をかけて配信できる。長い時間をかけて送信する方法により、通常の配信方法よりも低コストでマルチメディアファイルを配信できるとしている。

 コンテンツには即座に視聴する必要があるものもあるが、後でゆっくり見ればよい種類のコンテンツもある。先に挙げた企業の新製品発表の案内などは製品発表の期日以前にコンテンツが見られては困るため、資料さえ早めにできていれば、発表日までに時間をかけて配信すれば十分ということになる。また、オンライン教育などの場面では一度にすべてのコンテンツを見る必要はなく、週に1度必要なだけコンテンツが配信されれば良い。

 TrustCastではコンテンツがローカルファイルとして保存されるため、MP3プレーヤーなどに移し替えて視聴することも可能であり、オンライン教育にはメリットになるだろうとしている。同社では購読性のコンテンツなど、このほかにもさまざまな利用方法を提案している。

 Trusted Media NetworksのこのサービスはWindows、Macintosh環境双方に対応しており、9月後半に製品内容を正式発表する予定だ。


関連情報

URL
  Trusted Media Networks(英文)
  http://www.trustedmedianetworks.com/


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/09/03 11:42

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