NTT東日本および西日本は、電話回線を共有しないタイプ2のADSLについて、接続料金見直しの認可申請を行なった。
NTT東西では、一般加入電話などを利用するために必要な施設設置負担金(電話加入権)をすでに支払っているユーザーがタイプ2のADSLを利用する場合、支払い相当額を接続料金に充当できる新料金を2003年1月に申請していた。この新料金は東西合わせて約20億円のシステム導入が必要であり、導入に必要な費用はタイプ1、タイプ2に限らずすべてのADSL接続料金に加算される内容となっていた。
総務省ではこの認可申請について、システム導入費用を接続料に転嫁すべきでないという意見を踏まえて不認可とした。同時に伝送路設備の原価を回線数の総和で割って算定すべきという省令案を規定し、意見募集の結果を踏まえて接続料規則を改正していた。
今回の認可申請はこの接続料規則改正を受けて、NTT東西が改めて接続料金を申請したもの。ただし算定にあたっては適正なコスト回収を行なうという観点から省令を補足、施設設置負担金の受け入れ前の原価を基に算定しているという。
NTT東西が申請した新料金は、施設設置負担金の支払いに係わらず同一の料金設定となった。他のDSLサービスに影響を及ぼさないとされている第1グループであり、営業時間内保守タイプのサービスではNTT東が現行の1,690円から1,303円へ値下げ、NTT西が1、803円から1,411円へ値下げとなっている。
また、今回の申請では電話回線を共有するタイプ1についても、他のDSLサービスへ影響を及ぼす可能性があるとされている第2グループのみ料金が改められた。NTT東西のスプリッタを利用する場合でNTT東が1,074円から884円へ値下げ、NTT西が1,170円から977円へ値下げとなっている。
なお、前回の申請時に予定されていたタイプ1、タイプ2に係わらずNTT東で4.9円、NTT西で5.1円を加算するという内容は、省令を取り入れた結果システム導入の必要がなくなったために今回の申請では削除されている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(NTT東日本)
http://www.ntt-east.co.jp/release/0309/030910a.html
ニュースリリース(NTT西日本)
http://www.ntt-west.co.jp/news/0309/030910.html
関連記事:総務省、電話非共用ADSLなどのドライカッパ接続料規則を改正(Broadband Watch)
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1829.html
( 甲斐祐樹 )
2003/09/10 19:52
- ページの先頭へ-
|