米Atheros Communicationsは15日(現地時間)、IEEE 802.11a/b/g無線LANの消費電力を劇的に減らした「AR5004」チップセットファミリを発表した。このチップセットは、802.11bソリューションよりも消費電力を60%減らした802.11a/gソリューションを提供できるだけでなく、遠方における受信感度も向上したという。
このチップセットで用いられた新しい設計手法では、システムとネットワーク全体の活動状況に応じて無線デバイスの電力を制御することにより、消費電力を削減したとしている。Atherosによると、Intel Centrinoシステムで使われている802.11bデバイスよりもAtherosの802.11a/gチップセットの方が約30%消費電力が少なく、通信中でも20%消費電力が少なかった。さらにアイドルモードでは95%も消費電力が少なかったという。802.11a/gデバイスが54Mbpsのデータレートで通信し、802.11bデバイスが11Mbpsで通信することを考えると、この消費電力削減がバッテリーの持ち時間に与える影響は大きい。
またAtherosは、新しい信号処理アーキテクチャによって受信感度を大幅に上げることに成功し、802.11仕様に記されている20dBよりもはるかに高い105dBmにまで上げることに成功したと発表。場合によってはマンションやビル全体をカバーするアクセスポイントや半径1kmのエリアをカバーできるホットスポットを設置することも可能になるという。
このAR5004チップセットファミリは802.11a/b/gのデュアルバンドと802.11b/gのシングルバンドの2種類が用意され、9月15日(現地時間)からボリューム出荷が開始される。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.atheros.com/news/AR5004.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/09/16 13:43
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