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日立、モバイル機器向け省電力・省メモリのデジタル署名技術


 日立製作所システム開発研究所は、携帯電話などモバイル機器向けのデジタル署名技術を開発したと発表した。

 デジタル署名は、携帯電話を始めとするモバイル端末において、通信している相手を確認するために用いる技術で、セキュリティの確保のためには必須のもの。デジタル署名におけるセキュリティ侵害は、悪意を持ったユーザーが、デジタル署名の処理の際に、実行時間や電力消費量などのデータをモニタリングし、モバイル端末に格納されたデータが盗まれてしまうケースが一般的だという。

 デジタル技術は、0と1の2進法をベースにして処理されるが既存の署名技術では、データの盗難を防ぐために、本来通信に必要のない余計な計算をさせ、セキュリティを確保しているのだという。だが、この方法だと必要以上の処理を要求するため、電力やメモリなどのリソースの無駄を招くほか、処理時間にもロスが生じるという。

 今回開発された技術では、署名技術を2進法から、-1、0、1の3つの数字を用いる方法に変更。1と0のみの組み合わせでは、1を処理するときと0を処理するときの電力消費量が異なることから、秘密鍵を解析されてしまう問題に対処。処理ごとの消費電力がパターン化されないよう、攪乱する仕組みを導入した。新技術を用いた場合、無駄なリソースの消費を防ぎ、高いセキュリティを保ちながら高速処理が可能になるという。また、モバイル機器に実装時、メモリ占有量を最大50%削減できるとしている。

 この技術は今年4月、米国で行なわれたRSAカンファレンスで、「wNAF(Width-w Non-Adjacent Form)」という方式名で発表されている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/030919.html


( 伊藤大地 )
2003/09/19 20:52

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