米VeriSignは23日、同社が15日より提供しているサービス「Site Finder」について、インターネットコミュニティのリーダーらで構成される技術調査委員会を設置すると発表した。メンバーは今週にも発表する予定で、技術コミュニティからのフィードバックなどをもとに、今後、数週間にわたってSite Finderの技術的な実装問題について検討する。
Site Finderは、同社がレジストリとして管理している.comと.netにおいて、DNSの“ワイルドカード”設定を利用することで、誤入力などで存在しないドメイン名へのアクセスがあった場合にすべて同社の運営する検索ページにリダイレクトさせるもの。サービス開始とともにインターネットコミュニティから懸念が沸き上がっているほか、競合とも言える検索エンジン「Netster.com」の運営会社がVeriSignを独占禁止法違反で提訴する動きも出ていた。
このような状況を受けてICANNでも19日、現在進行中の各種検討が完了するまでの間、Site Finderサービスを自主的に一時停止するようVeriSignに勧告。また、ICANNからアドバイスの要請を受けたIABなども見解を発表。ワイルドカードを使用する際は、その危険性を理解するとともに、導入にあたっては事前告知が必要だとするガイドラインを提案した上で、ガイドラインと一致しない方法でワイルドカードを使用しているすべてのTLDでワイルドカードを削除するよう勧告している。
ICANNからの勧告を受けたVeriSignでは21日、同社Naming and Directory Services部門のゼネラルマネージャーで上級副社長のRussell Lewis氏が、ICANN宛のメールでコメント。Site Finedrの一時停止を求めるICANNに対して、データを集めて調査を行なうまでは一時停止するかどうか判断するのは時期尚早だとするスタンスを示していた。
VeriSignによれば、9月22日にはSite Finderに6,500万回のアクセスがあったという。そのうち、検索ツールが1,100万回ともっとも多く利用されていたほか、ユーザーが意図したと思われる類似したドメイン名をリストアップしてくれる「Did You Mean?」機能も160万回使用された。また、1日あたり平均で500万人のユニークユーザーを獲得したという。
関連情報
■URL
米VeriSignのニュースリリース(英文)
http://www.verisign.com/corporate/news/2003/pr_20030923.html
ICANN(英文)
http://www.icann.org/
・ ドメイン名の誤入力に対応する米VeriSignのサービスが問題に(2003/09/17)
・ Verisign問題、どこがどう問題なのか?(2003/09/19)
( 永沢 茂 )
2003/09/24 21:07
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