株式会社ゼンリンは24日、ゼンリン住宅地図帳の著作権侵害で著作権侵害行為の差止と12億6,000万円の損害賠償を求め、インクリメント・ピー株式会社(以下インクリメントP)を東京地方裁判所に提訴した。
インクリメントPは大手カーナビメーカー、パイオニアの全額出資子会社で、インターネットの地図サービスMapFanなどを提供している。ゼンリンの申し立てにより、6月17日には盛岡地方裁判所がインクリメントPの東北開発センターで証拠保全のための検証を実施。ゼンリンによれば、この際、ゼンリンの住宅地図を多数無断複製していた事実やゼンリンのパソコン用地図ソフトZ[Zi]を1本だけ購入し、約200台のパソコンに送信できるようにしていた事実が確認されたという。また、インクリメントPの地図には、ゼンリンの地図と同じ間違いが多数あることも、ゼンリンの調査で確認されたという。
ゼンリンでは盛岡地裁による証拠保全のための検証の結果などから、インクリメントPは無断かつ大量にゼンリン住宅地図を複製し、地図ソフトなどを制作していたと判断し、提訴に至ったという。提訴の内容は、無断複製の差止、インクリメントPのカーナビ用地図ソフトやMapFan.netの元データの廃棄、無断複製による合計12億6,000万円の損害賠償を求めるもの。ゼンリンは「インクリメントPの行為は明白な権利侵害であり、他社の知的資産や労力にただ乗りして競合品を制作・販売する行為は公正な競争に反し、当社営業行為を侵害するもの」として提訴に踏み切ったと述べている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.zenrin.co.jp/news/030924.html
関連記事:盛岡地裁、ゼンリンの訴えを受けインクリメントPに対し証拠保全実施
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0619/zenrin.htm
( 工藤ひろえ )
2003/09/25 11:47
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