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日立、紙に印刷されても追跡可能な強度調節機能付き電子すかし技術


 日立製作所システム開発研究所は3日、紙に印刷された情報の追跡を可能にし、なおかつ透かし強度を調節可能な「二値画像電子透かし技術」を開発したと発表した。

 二値画像電子透かし技術は、日立が既に開発している濃淡画像向け電子透かし技術を活かしつつ、人間の視覚特性を利用し、画質の劣化を回避しつつ必要な強度で透かし情報を埋め込むというもの。図形の中に単純な規則性や意味を見いだそうとする心理的機能「ゲシュタルトの法則」も利用している。

 従来、企業内の機密文書などは、いったん紙に印刷されてしまうと、情報の流通経路の追跡が難しく、情報漏えいの手段として利用されていた。二値画像電子透かし技術を利用すると、コンテンツの目立たない場所に必要な強度で識別情報を埋め込むことによって、そのコンテンツをレーザープリンタで印刷し、さらにそれを白黒コピーした場合でも埋め込んだ識別情報を検出することができるという。

 具体的には、普通紙にレーザープリンタで印刷し、その後スキャナで読み取り、専用ソフトを介することで検出できる。このときに必要な解像度は300dpi程度。また、印刷した紙を普通のコピー機で1~2回コピーしても検出可能だ。

 この技術を利用することにより、紙への印刷後も追跡が可能となるため、情報漏えいを事前に防ぐ抑止力として有効だとしている。日立では、紙を媒体とした情報追跡や機密情報流出抑止、素材管理など、官公庁、企業など、多くの業務場面への応用を提案してゆく予定だ。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/031003.html


( 大津 心 )
2003/10/03 16:32

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